石英斑岩(読み)セキエイハンガン(英語表記)quartz porphyry

デジタル大辞泉 「石英斑岩」の意味・読み・例文・類語

せきえい‐はんがん【石英斑岩】

半深成岩の一。斑晶石英カリ長石黒雲母くろうんもなどで、石英の結晶が大きく目立つ。石基は微細な結晶。

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精選版 日本国語大辞典 「石英斑岩」の意味・読み・例文・類語

せきえい‐はんがん【石英斑岩】

〘名〙 斑状の火成岩。石英・長石などから成る石基中に石英・正長石雲母などの斑晶を有し、暗緑色・暗灰色を呈する。岩脈岩株などの周辺岩体として産出することが多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「石英斑岩」の意味・わかりやすい解説

石英斑岩 (せきえいはんがん)
quartz porphyry

花コウ岩(または流紋岩)質の斑状貫入岩。石英斑晶が肉眼的に目だつために石英斑岩と呼ばれるが,実際には長石類の斑晶も多い。石基は極微粒で火山岩的である。花コウ斑岩と似るが,これよりも浅成急冷の環境下で固結したものであり,したがって岩脈などの小規模岩体を形成することが多い。日本では白亜紀~古第三紀の噴出岩である溶結凝灰岩が誤認され,石英斑岩と呼ばれたことがある。
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岩石学辞典 「石英斑岩」の解説

石英斑岩

石英とアルカリ長石の斑晶をもつ岩石で,斑晶は一般に正長石で,雲母を含む場合もある.石基は潜晶質または微結晶質である.斑晶の量が非常に多くなると花崗斑岩(granite-porphyry)に移行する.一方斑晶が少なくなると石英珪長岩または微花崗岩となる.初期の欧州の岩石学者は花崗岩に相当する噴出岩で第三紀および先第三紀の岩石を石英斑岩とし,第三紀以後の岩石を流紋岩とした[Tomkeieff : 1983].ホルンストーン斑岩(hornstone-porphyry)[Cotta : 1862].

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百科事典マイペディア 「石英斑岩」の意味・わかりやすい解説

石英斑岩【せきえいはんがん】

花コウ斑岩なかで特に斑晶の少ないもの。斑晶がほとんどないときは,石基が隠微晶質ならフェルサイト,微晶質〜顕晶質(細粒)なら細粒花コウ岩という。
→関連項目笠ヶ岳

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石英斑岩」の意味・わかりやすい解説

石英斑岩
せきえいはんがん
quartz porphyry

石英およびアルカリ長石 (主として正長石) の斑晶を有し,明確な斑状組織を有する酸性の半深成岩または貫入岩。石基は微晶質ないし潜晶質。白雲母あるいは黒雲母の斑晶を含むこともある。これらの斑晶の量比の大きいものを花崗斑岩という。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「石英斑岩」の意味・わかりやすい解説

石英斑岩
せきえいはんがん

斑岩

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