笠ヶ岳
かさがたけ
岐阜県高山市の北東部、奥飛騨(ひだ)温泉郷地区にある山。槍ヶ岳(やりがたけ)、穂高岳の山々の西方にあたり、標高2898メートル。どこからでも端正な笠の形にみえるのが特色で、石英粗面岩からできている。古くは道泉和尚(おしょう)や円空上人(えんくうしょうにん)が登ったといわれ、文政(ぶんせい)年間(1818~1830)には播隆(ばんりゅう)上人が5回も登った。明治になって初めて登ったのはイギリス人宣教師W・ウェストンで、1894年(明治27)のこと。山頂へは新穂高温泉から約9時間。山頂の北側に笠ヶ岳山荘がある。
[上島正徳]
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かさ‐が‐たけ【笠ヶ岳】
岐阜県北東部、飛騨山脈にある山。標高2897メートル。山頂東側にはカール(圏谷)や、小石が亀の甲の形にならぶ亀甲砂礫が見られる。中部山岳国立公園に属する。名の由来は、どこからでも山容が笠の形に見えることから。肩ヶ岳。
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かさがたけ【笠ヶ岳】
飛驒山脈(北アルプス)南西部,岐阜県北東部の吉城(よしき)郡上宝(じようぼう)村にある山。標高2898m。古くは肩ヶ岳,迦多賀岳と呼ばれた。山頂部はどこから望んでも笠形の地形を呈し,三角点のある最高峰は大笠,その北側の小峰は小笠と呼ばれる。山体は濃飛流紋岩と呼ばれる石英斑岩および凝灰岩層から成り,山頂東側には播隆平カールなどの氷河地形遺物が分布する。西側および北側斜面は自然のよく残された地域で,クマなども多く生息する。
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