社会保障・税番号制度(読み)しゃかいほしょう・ぜいばんごうせいど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「社会保障・税番号制度」の意味・わかりやすい解説

社会保障・税番号制度
しゃかいほしょう・ぜいばんごうせいど

行政国民個人の社会保障租税などに関する情報を一元的に管理するため,全国民に 12桁の番号をわりふる制度。マイナンバー制度,共通番号制度とも呼ばれる。2012年民主党政権下で法案が提出されたが廃案となり,2013年自由民主党安倍内閣で「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)を含む関連 4法が成立した。個人の識別に用いられる個人番号(マイナンバー,社会保障・税番号)は,生涯不変の 12桁の番号からなり,住民票(→住民基本台帳)に記載されたすべての人に割り当てられる。2015年10月に国民への付番,番号通知が開始され,2016年1月に行政機関での番号の利用が始まり,公的な身分証明書となる個人番号カードの交付も開始された。マイナンバーの導入によって情報の照合や入力などの作業が削減されるため行政事務が効率化され,手続きの簡素化などで国民の利便性が向上し,さらに脱税や不正受給を防ぎ公平・公正な社会の実現に資することが期待される。制度施行当初,利用分野は年金雇用保険(→雇用保険法),医療保険生活保護などの社会保障,確定申告源泉徴収などの税,災害対策の 3分野に限定されたが,2015年にマイナンバー法が改正され,2018年以降,金融機関が預金者の同意に基づいて口座番号とマイナンバーをひもづけすることについて政府が検討することが盛り込まれた。マイナンバーを扱うすべての事業者に個人情報の保護措置を講じることを求め,違反した場合の罰則規定が設けられている。(→納税者番号制度

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