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神近市子 かみちかいちこ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

神近市子
かみちかいちこ

[生]1888.6.6. 長崎
[没]1981.8.1. 東京
婦人運動家,政治家。漢方医だった父の死後,苦学して女子英学塾(→津田塾大学)を卒業,青森県立弘前高等女学校の教師となるが,平塚らいてうの青踏社とのかかわりを糾弾されて退職。1914年『東京日日新聞』の記者となり,婦人記者の草分けとして活躍する。社会主義運動への関心からアナーキスト(→アナーキズム)の大杉栄に接近,大杉の妻と伊藤野枝を巻き込んだ四角関係は,1916年に神近が大杉を刺して重傷を負わせるという日蔭茶屋事件に発展する。2年の実刑に服したあと結婚して 3児をもうけるが,のち離婚。第2次世界大戦後は日本社会党から衆議院議員選挙に出馬し当選,81歳まで 5期 13年の議員生活を送る。この間,売春防止法の制定などに尽力した。

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百科事典マイペディアの解説

神近市子【かみちかいちこ】

婦人運動家。長崎県出身。新聞記者を経て青鞜(せいとう)社に参加。1916年大杉栄との恋愛問題から傷害事件を起こしたが,のち文筆生活に入る。第2次大戦後,日本社会党に参加,1955年−1969年衆議院議員。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

神近市子 かみちか-いちこ

1888-1981 大正-昭和時代の女性運動家,政治家。
明治21年6月6日生まれ。女子英学塾(現津田塾大)在学中に青鞜社に参加し,大正3年東京日日新聞記者となる。5年恋愛関係のもつれから大杉栄を刺傷,服役。のち「女人芸術」などで文筆・評論活動をおこなう。昭和28年衆議院議員(当選5回,社会党)。売春防止法の成立に尽力した。昭和56年8月1日死去。93歳。長崎県出身。本名はイチ。

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世界大百科事典 第2版の解説

かみちかいちこ【神近市子】

1888‐1981(明治21‐昭和56)
婦人運動家,政治家。長崎の漢方医の家に生まれ,活水女学校を経て津田英学塾在学中,青鞜社に加盟して《青鞜》に翻訳などを発表。1914年《東京日日新聞》の記者になったころから社会主義者と交流。多角恋愛に悩んで,16年葉山日蔭茶屋で大杉栄を傷害,2年の刑を受けた。出獄後は文筆生活に入り,《女人(によにん)芸術》に参加したほか,35年には夫の鈴木厚と《婦人文芸》を創刊。小説,翻訳,婦人問題の評論を手がけた。

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大辞林 第三版の解説

かみちかいちこ【神近市子】

1888~1981) 評論家・政治家。長崎県生まれ。津田英学塾在学中に青鞜社に参加。東京日日新聞の記者を経て、文筆・評論に活躍。1953年社会党から衆議院議員に当選。売春防止法の成立などに尽力。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

神近市子
かみちかいちこ
(1888―1981)

評論家、政治家。長崎県生まれ。1912年(明治45)津田英学塾在学中に青鞜社(せいとうしゃ)に加盟し、1914年(大正3)東京日日新聞記者となる。宮嶋資夫(みやじますけお)、大杉栄らと知り合い、1916年大杉をめぐる愛情関係から大杉を刺傷し(葉山日蔭(ひかげ)茶屋事件)、懲役2年の実刑に服した。出獄後、翻訳など文筆活動に従事し、1928年(昭和3)『女人芸術』の創刊に参加した。敗戦後の1953年左派社会党から衆議院議員に当選、1回の落選を挟んで4期当選し、売春防止法の制定に尽力した。1969年政界から引退した。[赤澤史朗]
『『神近市子自伝』(1972・講談社) ▽『神近市子著作集』全6巻(2008・学術出版会)』

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世界大百科事典内の神近市子の言及

【大杉栄】より

…13年,サンジカリズム研究会を開催し,活動を活発化していく。また,神近市子,伊藤野枝と恋愛関係におちいり,16年神奈川県葉山町の日蔭茶屋で神近に刺される。その後,保子と別れ,野枝と一緒になる。…

※「神近市子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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