(読み)ホコラ

デジタル大辞泉 「祠」の意味・読み・例文・類語

ほこら【×祠/叢祠】

《「ほくら神庫)」の音変化》神を祭った小さなやしろ。
[類語]神社やしろみや神殿神廟しんびょう社殿廟宇びょうう神宮鎮守ちんじゅ大社稲荷八幡本社摂社末社祠堂

し【祠】[漢字項目]

[音]シ(漢) [訓]ほこら まつる
神や祖先を祭る所。ほこら。「祠堂淫祠いんし古祠社祠小祠神祠
まつる。まつり。「祠官
難読叢祠ほこら

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精選版 日本国語大辞典 「祠」の意味・読み・例文・類語

ほこら【祠・叢祠】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ほくら(神庫)」の変化した語 ) 神をまつる社殿。神社。多くは、小さなやしろをいう。
    1. [初出の実例]「なる神はいづこか社めに見えぬ雲のかくれやほこら成るらむ」(出典:丹後守為忠百首(1134頃か)雑)

し【祠】

  1. 〘 名詞 〙
  2. まつること。祭。〔漢書‐郊祀志上〕
  3. 神をまつっておく建物。やしろ。ほこら。おたまや。

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普及版 字通 「祠」の読み・字形・画数・意味


10画

(異体字)
16画

[字音]
[字訓] まつる・まつり

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は司(し)。司は祝詞を啓(ひら)いて神意を伺うことを示す字。祝詞を奏して祀ることを祠という。〔説文〕一上に「春の祭を祠と曰ふ。品物少なくして、詞多きなり」と祠・詞の畳韻を以て解する。「仲春の、祠るに犧牲を用ひず。圭璧(けいへき)び皮を用ふ」という〔礼記、月令〕の文を引き、文詞多き意とするが、犠牲を省くのは、その胎孕(たいよう)を避けるためである。その祠るところをも、また祠という。字はまたに作る。異は神像の象であろう。

[訓義]
1. まつる、祝詞してまつる。
2. まつり、春のまつり。
3. いのる、神意を問うまつり、神意に報ずるまつり。
4. やしろ、ほこら。
5. 詞・辞と通じ、ことば、まつることば。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕祠 保加不(ほかふ) 〔名義抄〕祠 マツル・イノル・トシ・ヒトシ・ホカフ 〔字鏡集〕祠 ツカフ・イノル・マツリ・ホカフ・ヤシロ・ハルマツリ

[語系]
祠・祀()ziは同声。祀は巳(し)(蛇の形)に従い、自然神を祀る意。祠は司に従い、祝告を主とする祭祀をいう。

[熟語]
祠位祠宇祠謁・祠屋・祠下祠監・祠官・祠器・祠宮祠享・祠・祠具・祠祭祠賽祠祀・祠事・祠室祠樹・祠祝・祠城・祠正・祠前祠竈祠壇祠典・祠・祠堂祠尾・祠祠兵祠墓・祠・祠録
[下接語]
祠・旧祠・厳祠・古祠・荒祠・告祠・社祠・神祠・崇祠・叢祠・祠・祠・奉祠・報祠・祠・霊祠

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【廟】より

…清朝の皇帝の避暑地,河北省承徳市に現存する普陀宗乗廟はその代表例である。廟はほんらい祖霊をまつる宗廟のことであったが,のちにその領域が拡大され,超能力を具有すると信じられた死者,自然物,動物などをまつる民間の〈祠〉も廟ないし祠廟とよぶようになった。おおむね大規模のものは廟,小規模のものは祠だが,その境界はあいまいである。…

※「祠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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