積恋雪関扉(読み)ツモルコイユキノセキノト

デジタル大辞泉 「積恋雪関扉」の意味・読み・例文・類語

つもるこいゆきのせきのと〔つもるこひゆきのせきのと〕【積恋雪関扉】

歌舞伎舞踊常磐津ときわず。宝田寿来作詞、初世鳥羽屋里長作曲。天明4年(1784)江戸桐座初演逢坂山の関で良岑宗貞よしみねのむねさだ小野小町との恋語りののち、関守関兵衛(実は大伴黒主)が墨染桜を切ろうとして桜の精に素姓を見破られる。通称「関の扉」。

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精選版 日本国語大辞典 「積恋雪関扉」の意味・読み・例文・類語

つもるこいゆきのせきのとつもるこひゆきのせきのと【積恋雪関扉】

  1. 歌舞伎所作事「関扉(せきのと)」の本名題

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「積恋雪関扉」の意味・わかりやすい解説

積恋雪関扉
つもるこいゆきのせきのと

歌舞伎(かぶき)舞踊劇。常磐津(ときわず)。通称「関の扉」。宝田寿来(じゅらい)作詞、初世鳥羽屋里長(とばやりちょう)・2世岸沢式佐(しきさ)作曲、2世西川扇蔵振付け。1784年(天明4)11月、江戸・桐(きり)座で、初世中村仲蔵(なかぞう)の関兵衛実は大伴黒主(おおとものくろぬし)、2世市川門之助の良岑宗貞(よしみねむねさだ)、3世瀬川菊之丞(きくのじょう)の小野小町(おののこまち)姫と墨染桜(すみぞめざくら)の精により初演。顔見世狂言『重重人重小町桜(じゅうにひとえこまちざくら)』の大切浄瑠璃(おおぎりじょうるり)としてつくられた上下二巻の大曲

 雪中に桜の咲く逢坂(おうさか)の関が舞台で、上の巻は、関守関兵衛が、ここに陰棲(いんせい)する宗貞と、図らずも訪れた小町姫との仲をとりもつが、落とした割符(わりふ)から素性を怪しまれるまで。下の巻は、関兵衛実は天下をねらう大伴黒主が盃(さかずき)に映る星影を見て時節を悟り、呪詛(じゅそ)の護摩木にしようと桜の木に切りつけると、墨染桜の精が傾城(けいせい)姿で現れ、なまめかしく言い寄り、最後は互いに本性を現し立回りになるまで。常磐津を代表する名曲で、振付けも天明(てんめい)調といわれる優婉洒脱(ゆうえんしゃだつ)な気分と幻想的な美しさにあふれる。上の巻では小町と関兵衛の問答、宗貞を加えて3人の総踊り、下の巻では関兵衛の生(なま)酔いのしぐさと、豪快な星ぐりの見得、墨染の妖艶(ようえん)な登場から廓話(くるわばなし)を経て、2人の見あらわしと立回りなど、構成は変化に富んで見どころ多く、歌舞伎舞踊中の傑作である。

[松井俊諭]

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「積恋雪関扉」の解説

積恋雪関扉
〔常磐津〕
つもるこい ゆきのせきのと

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
宝田寿来
演者
鳥羽屋里長(1代)
初演
天明4.11(江戸・桐座)

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改訂新版 世界大百科事典 「積恋雪関扉」の意味・わかりやすい解説

積恋雪関扉 (つもるこいゆきのせきのと)

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世界大百科事典(旧版)内の積恋雪関扉の言及

【関の扉】より

…常磐津節。本名題《積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)》。宝田寿来作詞。…

※「積恋雪関扉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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