墨染(め)(読み)スミゾメ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

墨染
すみぞめ

京都市伏見(ふしみ)区の深草(ふかくさ)墨染町の地。上野岑雄(かんつけのみねお)が太政(だいじょう)大臣藤原基経(もとつね)の死を悼んで詠んだ「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染に咲け」(『古今集』巻16)で知られ、地名のおこりになった墨染桜が墨染寺の境内にある。京都と伏見を往来する商人や、伏見から山科(やましな)を経て東海道を往還する旅人などでにぎわい、江戸中期には墨染寺の門前に芝居小屋や遊里ができて栄えたが、明治以後衰退した。京阪電鉄京阪本線墨染駅がある。[織田武雄]

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精選版 日本国語大辞典の解説

すみ‐ぞめ【墨染】

[1] 〘名〙
① 墨汁で染めること。また、そのような黒い色。また、ねずみ色。僧衣または喪服の色。にびいろ。すみ。
※古今(905‐914)哀傷・八四三「すみぞめのきみがたもとは雲なれやたえず涙の雨とのみふる〈壬生忠岑〉」
※源氏(1001‐14頃)野分「かたちよき尼君たちの、すみぞめにやつれたるぞ」
③ (②から転じて) 僧侶のこと。〔文明本節用集(室町中)〕
[2] 京都市伏見区深草の地名。江戸時代は遊郭で知られた。

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