デジタル大辞泉
「突」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
つつ・く【突】
〘他カ五(四)〙
① 何回もつく。何度もこきざみにつく。つっつく。
※
万葉(8C後)一六・三八八〇「小螺
(しただみ)を い拾
(ひり)ひ持ち来て 石もち 都追伎
(ツツキ)破り」
※
古今著聞集(1254)二〇「しばしばかりありて猿の足をつつきけり」
② 肘でついたりして注意する。軽くつく。つっつく。
※花間鶯(1887‐88)〈
末広鉄腸〉中「清水は側よりソット背をツツキ、岡部何を云ふのだ。と気を付くれば」
③ 箸で食べ物などをとって食べる。つっつく。
※満韓ところどころ(1909)〈
夏目漱石〉四一「所が毎日毎晩一つ鍋のものを突
(ツ)ついて進行してゐるうちに」
④
欠点をことさらに取りあげたりしてとがめる。あらだてる。ほじくり出す。つっつく。
⑤ あれこれ言ってある行動をとるようにしむける。けしかける。そそのかす。つっつく。
※俳諧・毛吹草(1638)二「めん鳥につつかれて時をうたふ」
⑥ 検討する。調べる。
※写生紀行(1922)〈
寺田寅彦〉「唯空で考へるだけでは
題目(テーマ)は中々出て来ないが、何か一つつつき始めると其の途中に無数の
目当てが出来過ぎて」
つっ【突】
〘接頭〙 (
動詞「つく(突)」の
連用形「つき」の変化したもので、次に来る動詞が、カ・タ・ハ行の音で始まる時に
促音便になったもの) 動詞の上に付いて、その
意味を強め、または、
語調を整える。「つっかける」「つっつく」「つっぱしる」など。
つか・す【突】
〘他サ下二〙
強風に際し、帆を下げ
船尾から風をうけて船を走らせる。
※一葉丸福州漂流記(1782)「是非無く柱を切捨て、つかせ
居候へ共、
四日に成候ても風なぎ申さず」
とつ【突】
〘形動タリ〙 突然であるさま。だしぬけ。突如。にわか。
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