築上(町)(読み)ちくじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「築上(町)」の意味・わかりやすい解説

築上(町)
ちくじょう

福岡県東部、築上郡にある町。2006年(平成18)、築上郡椎田町(しいだまち)、築城町(ついきまち)が合併して成立。南部は求菩提(くぼて)山(782 メートル)をはじめとする英彦山火山群(ひこさんかざんぐん)の北斜面にあたり、山地山林が広がる。これらを水源とする城井(きい)川、極楽寺(ごくらくじ)川、真如寺(しんにょじ)川などが放射谷を形成しながら北流。周防灘(すおうなだ)に臨む北部には平野、干拓地が広がる。海岸線に沿ってJR日豊(にっぽう)本線、国道10号、東九州自動車道(椎田道路)が走り、日豊本線の築城駅、椎田駅がある。城井川河口の椎田は古い港町、江戸時代は中津街道(豊前(ぶぜん)街道)の宿駅として活況を呈した。基幹産業は農林水産業で、稲作のほかレタス、ダイコン、イチゴなどの野菜・果樹や花卉(かき)を栽培し、林業も盛ん。漁業は沿岸漁業を行っている。北九州市への通勤者が多い。耶馬日田(やばひた)英彦山国定公園に含まれる求菩提山(国指定史跡)は、古くから山岳修験(しゅげん)道場として知られた。本庄(ほんじょう)の大楠神社境内にあるクスは国指定天然記念物(登録名「本庄のクス」)。築上町文化会館「コマーレ」、農業公園「しいだアグリパーク」、物産館中核とする「メタセの杜」などの施設がある。なお当町、および隣接する行橋(ゆくはし)市、京都(みやこ)郡みやこ町にまたがって航空自衛隊築城基地がある。面積119.61平方キロメートル、人口1万7189(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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