出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
福岡県北西部,博多湾に浮かぶ島。福岡市西区に属する。残島とも書き,古くは能許島,乃古島とも書かれた。周囲約8km。面積4km2。基盤の古生層の上を古第三紀層,さらに上部を玄武岩がおおい,最高点は195mで,台地状を呈する。北端は也良岬(やらのさき)。古代には防人(さきもり)がおかれ,《万葉集》巻十六に載る歌に,〈沖つ鳥鴨とふ船の還り来(こ)ば也良の崎守早く告げこそ〉とある。また台地上には〈能古島牛牧〉があった。13世紀には元寇の古戦場となり,江戸時代は福岡藩の馬牧,鹿の狩場がおかれ,南部の北浦や江ノ口などは廻船業で栄えた。第2次大戦中から開拓され,野菜栽培が行われる。島からは志賀島,海ノ中道,福岡市街などをのぞみ,玄海国定公園に含まれる。のこのしまアイランドパーク,海水浴場などもあり,市内からの行楽客も多い。対岸の姪浜(めいのはま)からは渡船で15分。
執筆者:土井 仙吉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
福岡県北西部、福岡市西区に属し博多湾(はかたわん)にある島。残島とも書き、古くは「能許」「能巨」「乃古」とも書かれた。古生層の上を古第三紀層と玄武岩が覆う台地状の島で、最高点は195メートル、面積は3.72平方キロメートル。台地上は古くから牧場として利用され、福岡藩藩政期は馬の牧場や鹿(しか)の猟場であったが、第二次世界大戦中からは野菜、ナシ、ブドウなどの園芸農業が行われている。中心は江ノ口(えのくち)で江戸時代には廻船(かいせん)業で栄えたが、現在は漁業のほか、市内への通勤者も多い。玄海(げんかい)国定公園に含まれ、眺望に恵まれており、釣り、海水浴、キャンプ客が多い。姪浜(めいのはま)から市営渡し船が約10分で通じる。人口805(2000)。
[石黒正紀]
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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