六訂版 家庭医学大全科 「外陰炎」の解説
外陰炎
がいいんえん
Vulvitis
(感染症)
どんな感染症か
外陰とは、性器の外側の部分(
この外陰部に、細菌やウイルス、カビなどの病原体が感染したり、薬物などの化学物質、腟からの
炎症は、前述のような外的な原因に体の抵抗力の低下が加わって発症します。糖尿病やアレルギーのある人は、とくになりやすい傾向があります。また、老人や子どものように外陰部の皮膚や粘膜が弱い人でも発症しやすくなります。
症状の現れ方
外陰部の痛みやかゆみ、時には違和感が主体です。外陰部が発赤したり、はれたりもします。炎症が慢性化すると、皮膚や粘膜が白っぽくなり、がんこなかゆみが続きます。
しばしば、前に解説した腟炎による帯下が刺激となって外陰炎を発症します。
検査と診断
外陰部の所見に加え、外陰や腟分泌物中の病原体を検出するなどして原因をつきとめます。
治療の方法
原因を探し、これを治すとともに、かゆみに対しては抗ヒスタミン薬やステロイドホルモン含有の軟膏やクリームを塗ります。また、高齢者のように外陰や腟粘膜の弱い場合は、ホルモン剤を投与して強化を図ります。
病気に気づいたらどうする
外陰部のかゆみは、いろいろな原因で起こります。2~3日しても治らない時は産婦人科を受診しましょう。とくにがんこなかゆみが3カ月以上続く時は、外陰の
川名 尚
外陰炎
がいいんえん
Vulvitis
(女性の病気と妊娠・出産)
どんな病気か
外陰部の皮膚は抵抗性が弱く、しかも尿・便・
外陰炎は、化学的刺激(石鹸や薬剤など)・物理的刺激(下着や生理用ナプキンなど)などによって起こる非感染性のものと、細菌・カビ(
症状の現れ方
多くの場合、かゆみ、痛み、熱感などのほか、腟炎合併時には帯下の異常(量が多い、においや色が気になる)が現れます。そのほか、異物感、しこり、出血、潰瘍などがみられることもあります。
以下、外陰炎の個々の疾患について述べます。
織田 克利
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報