臨時行政調査会(読み)リンジギョウセイチョウサカイ

デジタル大辞泉 「臨時行政調査会」の意味・読み・例文・類語

りんじ‐ぎょうせいちょうさかい〔‐ギヤウセイテウサクワイ〕【臨時行政調査会】

行政の適正・合理化について調査・審議するために旧総理府に設置された諮問機関。第一次(会長佐藤喜一郎)は昭和37年(1962)から昭和39年(1964)、第二次(会長・土光敏夫)は昭和56年(1981)から昭和58年(1983)にかけて行われた。臨調。→臨時行政改革推進審議会
[補説]第二次臨時行政調査会は「土光臨調」「第二臨調」と略称される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「臨時行政調査会」の意味・わかりやすい解説

臨時行政調査会
りんじぎょうせいちょうさかい

行政改革のため,内閣総理大臣の諮問機関として設置された審議会。略称は臨調。1961~64年まで池田内閣のもとに置かれた第1次臨調と,1981~83年まで鈴木内閣中曽根内閣のもとに置かれた第2次臨調とがある。(1) 第1次臨調 1961年11月,池田内閣が抜本的行政改革を目指して設置した調査会。与野党一致の立法に基づき,委員に各党の権威を集め,独自の調査権をもつ強力な調査会であった。1964年9月,16項目の広範な報告書を答申したが,各省庁,官僚の根強い抵抗,公務員組合の消極的態度,各政党の熱意欠如などのため,答申はほとんど実行されなかった。(2) 第2次臨調 1981年3月,土光敏夫を会長とし,官・財・学・言論界などの有識者 21人を専門委員として発足。おりからの財政危機を打開する必要から「増税なき財政再建」を強調した。1983年3月まで 5回にわたり,緊急提言(1981),許認可提言(1982),基本提言(1982),行革推進体制提言(1983),最終答申(1983)を答申した。答申内容骨子は,(a) 日本国有鉄道日本電信電話公社日本専売公社の分割,民営化,(b) 国土庁,北海道開発庁,沖縄開発庁の統合,(c) 行政管理庁,総理府人事局,人事院の一部を統合した総合管理庁(仮称)の設置などである。このうち (a)の三公社の分割・民営化は JR,日本電信電話日本たばこ産業となって実現し,(c)も 1984年に総務庁(のちの総務省)となった。そして (b)の国土庁と北海道開発庁は建設省,運輸省と統合され,2001年に国土交通省となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「臨時行政調査会」の意味・わかりやすい解説

臨時行政調査会
りんじぎょうせいちょうさかい

旧総理府の附属機関。1962年(昭和37)11月から1964年9月までの間設けられたもの(第一次臨調)と、1981年(昭和56)3月に発足し1983年に解散したもの(第二次臨調)がある。第一次臨調は、行政運営の総合化、効率化、能率化といった行政の方法の改革に重点を置いたが、第二次臨調は、行政の施策、体系の基本的あり方や内容、体制の改革に主たるねらいを置き、そのため第五次の答申まで行った。

[平田和一]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「臨時行政調査会」の解説

臨時行政調査会
りんじぎょうせいちょうさかい

行政改革推進のための総理府の付属機関。臨調と略称。1962~64年(昭和37~39)の第1臨調は,行政運営の総合化・合理化・能率化を中心に内閣の総合調整機能強化などを答申。81~83年の第2臨調は行政改革と財政再建に重点をおき,変化への対応,総合性の確保,能率化,信頼性の確保を中心に答申。これにもとづき国鉄・電電公社・専売公社が民営化された。

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世界大百科事典(旧版)内の臨時行政調査会の言及

【行政改革】より

…1962年池田勇人内閣下に臨時行政調査会が設置されて以来広く一般に流布した概念であるが,その内容はあいまいであるため,行政改革が企てられるたびごとに,行政改革とはいかなるものであるべきかが論争の種となっている。しかし,通常このことばにこめられている意味を整理すれば以下のようにいえよう。…

【労働運動】より

…資本主義社会において,労働者階級が労働条件や生活条件の改善を通じてその経済的・政治的・社会的地位の向上を目ざす運動の総称。 労働運動は,資本主義の発展に照応して変化しつつ発展する。資本主義の発展がそもそも国によって不均等であり,階級構成や権力構造も異なるので,各国における労働運動の発展も一様ではない。イギリスでは資本主義がいち早く成立し,農民層の分解が徹底して行われたので,労使の関係も早くから明確な対立関係という形をとった。…

※「臨時行政調査会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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