色麻(町)(読み)しかま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「色麻(町)」の意味・わかりやすい解説

色麻(町)
しかま

宮城県中西部、加美郡(かみぐん)の町。1978年(昭和53)町制施行。船形(ふながた)山の北東麓(ろく)、鳴瀬(なるせ)川支流の保野(やすの)川や花川流域を占める。国道457号が通じる。町名は、天平(てんぴょう)年間(729~749)に播磨(はりま)国(兵庫県)飾磨(しかま)から移住した兵士が「しかま」を色麻と記したことに由来すると伝えられる。737年(天平9)陸奥按察使(むつあぜち)大野東人(あずまんど)が多賀城の前進基地とした色麻柵(しかまのき)跡があり、その屋根瓦(がわら)を焼いた日の出山瓦窯跡(ひのでやまかわらがまあと)(国指定史跡)や色麻古墳群もあり、開発の歴史は古い。稲作が卓越し、リンゴなどの果樹栽培、乳牛肉牛の飼育も盛んで、特産にエゴマがある。県指定重要文化財に往生寺の円光大師像(鎌倉時代)がある。面積109.28平方キロメートル、人口6698(2020)。

[長谷川典夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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