(読み)ノギ

デジタル大辞泉 「芒」の意味・読み・例文・類語

のぎ【×芒】

稲や麦などイネ科植物で、花の外側えい先端にある針状突起。分類上重要。
(「禾」とも書く)切りはくの一。金箔銀箔を細く切ったもの。装飾経絵巻詞書ことばがき下絵装丁装飾に用いる。
[類語]とげいが綿毛

ぼう【芒】[漢字項目]

[音]ボウバウ)(漢) [訓]のぎ すすき
稲などの穀物の実の先端にある針状の突起。のぎ。「芒種
物の細くとがった先端。「光芒

はしか【×芒】

稲・麦などののぎ

のげ【×芒/野毛】

のぎ」の音変化。

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精選版 日本国語大辞典 「芒」の意味・読み・例文・類語

のぎ【芒・鯁・禾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 芒 ) イネ科植物の外花穎(がいかえい)の先端から出る剛毛状の突起。その有無・長短・形態が分類上の特徴となる。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「我守るなかての稲ものぎはおちてむらむら穂先出でにけらしも」(出典:曾丹集(11C初か))
  3. ( 鯁 ) のどにささるような細かい魚の骨などの類。
    1. [初出の実例]「頃者(このごろ)、赤海鯽魚、喉(のみど)に鯁(のぎ)ありて、物得食はずと愁言うす」(出典:古事記(712)上)
  4. ( 禾 ) 金箔・銀箔などを細長く切ったもの。砂子・切箔などとともに絵画や装飾経、装丁の飾りに用いる。

ぼうバウ【芒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. のぎ(芒)
  3. ひかりのような形をしている光の先端部分。
    1. [初出の実例]「今夜天顔快晴、妖星猶見、芒事外薄短」(出典:平戸記‐延応二年(1240)正月二七日)

はしか【芒】

  1. 〘 名詞 〙 稲や麦などの果実の先にある針のような毛。のぎ。のげ。また、もみがら。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「袖笠に払ひ兼たる麦はしか」(出典:雑俳・替狂言(1702))

のげ【芒・野毛】

  1. 〘 名詞 〙 「のぎ(芒)」の変化した語。〔和玉篇(15C後)〕
    1. [初出の実例]「晴天風立日はつぼ刈の合毛少く、雨天のせつ濡籾は野毛も取れ」(出典:地方凡例録(1794)三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「芒」の意味・わかりやすい解説

芒(中国地名)
ぼう / マン

中国、雲南(うんなん)省西部、徳宏(とくこう)タイ族チンポー族自治州東部の県級市。旧称は潞西(ろせい)。同自治州の州政府所在地で滇緬(てんめん)自動車道(昆明(こんめい)―瑞麗(ずいれい))に沿う。人口36万2398(2010)。市政府所在地は勐煥(もうかん)街道。日中戦争中にビルマ(現、ミャンマー)のマンダレーと中国の昆明を結ぶ物資輸送の要地として注目された。市街近郊に徳宏芒市空港がある。製糖、セメント、電力などの産業が盛ん。

[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年2月16日]


芒(植物)
のぎ

イネ科(APG分類:イネ科)植物の外花穎(がいかえい)の先端が細長く伸びて剛毛状の突起となった部分をいう。芒は、動物や衣服などに突き刺さったり、側面に並ぶ微細な刺(とげ)で付着するなどして、外花穎の中に内花穎といっしょに含まれたままの果実を遠方まで散布する役を果たす。また、風にのっての散布に役だつ場合もある。芒の有無や形状は、イネ科植物を分類するときの目印とされることが多い。

[福田泰二 2019年9月17日]

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動植物名よみかた辞典 普及版 「芒」の解説

芒 (ススキ)

学名:Miscanthus sinensis
植物。イネ科の多年草,園芸植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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