花筵(読み)ハナムシロ

デジタル大辞泉 「花筵」の意味・読み・例文・類語

はな‐むしろ【花×筵/花×蓆】

花茣蓙はなござ」に同じ。
草花などが一面に咲きそろったさま、また、花の散り敷いたさまを筵にたとえていう語。 春》片尻は岩にかけけり―/丈草
[類語]敷物上敷き薄縁うすべり茣蓙ござ花茣蓙むしろこも敷き藁絨緞緞通毛氈もうせんカーペットマット

か‐えん〔クワ‐〕【花×筵】

はなむしろ」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「花筵」の意味・読み・例文・類語

はな‐むしろ【花筵・花蓆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 綿糸または麻糸の撚(より)合糸を経(たていと)とし、緯(よこいと)には藺草(いぐさ)を織り込んだもの。敷物用。岡山・広島・福岡が産地。現在は経にサランなどを使用している。花茣蓙(はなござ)ともいう。かえん。
    1. [初出の実例]「世を渡る業とて花莚(ハナムシロ)を織習ひ」(出典:浮世草子・椀久一世(1685)下)
  3. 花見の宴席に敷く筵。また、花見の座、花見の宴席。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「花むしろ 花の座也。莚の文に花あり」(出典:匠材集(1597)一)
  4. 草花などが一面に咲きそろったさま、また、桜などが一面に散りしくさまなどを筵にたとえていう語。
    1. [初出の実例]「敷つめにせよ床夏の花むしろ〈盛一〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)三)
  5. オリイレヨウバイ科の巻き貝。房総半島以南の水深一〇~一〇〇メートルの砂泥底にすむ。殻高約二・五センチメートル。殻表には帯黄白色や栗色の帯があり、全面にまばらに螺溝(らこう)が刻まれている。

か‐えんクヮ‥【花筵・華筵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 藺草(いぐさ)で織って彩色した美しいござ。はなむしろ。
    1. [初出の実例]「検査を受けたる花莚にあらざれば」(出典:東京朝日新聞‐明治三八年(1905)五月一四日)
  3. はなやかな宴。酒宴
    1. [初出の実例]「闘罷不勲績顕、華筵但使前人羞」(出典:文華秀麗集(818)下・観闘百草簡明執〈滋野貞主〉)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「花筵」の解説

花筵 (ハナムシロ)

動物。ムシロガイ科の貝

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