茶事七式(読み)チャジシチシキ

デジタル大辞泉 「茶事七式」の意味・読み・例文・類語

ちゃじ‐しちしき【茶事七式】

茶会の7種類の方式暁の茶事朝の茶事正午の茶事夜咄よばなしの茶事不時ふじの茶事飯後はんごの茶事跡見あとみの茶事

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精選版 日本国語大辞典 「茶事七式」の意味・読み・例文・類語

ちゃじ‐しちしき【茶事七式】

  1. 〘 名詞 〙 茶事に関する七種法式。暁(あかつき)の茶事、朝の茶事、正午の茶事、夜咄(よばなし)の茶事、不時の茶事、菓子の茶事、跡見(あとみ)の茶事の七つをいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「茶事七式」の意味・わかりやすい解説

茶事七式
ちゃじしちしき

桃山時代にわび茶の湯が大成していく段階で、時刻にあわせて趣向の異なった茶会が行われるようになるが、その7種類の茶会の総称。茶会記録によると、室町時代後期の天文(てんぶん)年間(1532~55)には、すでに朝会(あさかい)、昼会(ひるかい)、不時会(ふじのかい)、夜咄会(よばなしのかい)、跡見会(あとみのかい)、飯後会(はんごのかい)、暁(あかつきの)(未明)会(かい)の七つのほか口切会(くちきりのかい)の成立がみられた。しかし、茶事七式の呼称は近代の呼び方で、江戸期にあっては五度または五時の名でよばれていた。現在では一般的に暁会は極寒の季の暁天に、朝会は夏季の早朝に、夜咄会は冬季の日没後に行われている。昼会は正午の茶といわれ、時節を問わず正午を席入りとする会である。そのほか、不時会は臨時の客などのときに応じた茶事、飯後会は菓子の茶といわれ、懐石(かいせき)を出さずに菓子のみで茶を行うもの、跡見会は参会できなかった客の要望に応じて催す茶事のことである。茶事には以上の七式のほか、一客一亭などもある。

[筒井紘一]

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百科事典マイペディア 「茶事七式」の意味・わかりやすい解説

茶事七式【ちゃじしちしき】

現在行われている茶会のうち,基準となっている7種。(1)正午。昼食。茶事の基本形式。(2)夜咄(よばなし)。夜会のことで,冬季に限られる。(3)朝茶。朝食。夏期に行われる。(4)暁。夜明けの曙光を風情とする。今日ではほとんど行われない。(5)跡見。身分の上位の来席の跡をそのまま拝見しようとするもの。今日ではほとんど行われない。(6)不時。臨時の会。予約されていない場合と,食事の時刻をはずす,という2つの解釈がある。(7)口切。11月に新茶を供するもの。茶の湯の新年行事で最も重要とされる。→茶道

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世界大百科事典(旧版)内の茶事七式の言及

【茶事】より

…その屈曲を逃避と考えるのではなく,むしろ積極的な旺盛な生活意欲の表出になしえたところに茶の湯の力があったのである。
[茶事七式]
 茶事の日常との対応は,しだいに分類様式化されて,今日では〈茶事七式〉と称する7通りに整備されている。(1)正午 昼食。…

※「茶事七式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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