茶粥(読み)ちゃがゆ

精選版 日本国語大辞典 「茶粥」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐がゆ【茶粥】

〘名〙 茶の煎じ汁を入れて煮た粥。
浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)五「湯をあがるか。茶粥(チャガユ)でもいたさふか」

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デジタル大辞泉 「茶粥」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐がゆ【茶×粥】

茶葉を煎じ出した汁で煮た粥。
[類語]白粥重湯七草粥雑炊おじや

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「茶粥」の意味・わかりやすい解説

茶粥
ちゃがゆ

山口県の郷土料理。一年中つくるが、季節により加える材料が変わる。たとえば1月には餅(もち)、早春サヤエンドウ、夏にはアズキ、秋はサツマイモ小麦粉団子を加える。3リットルの水を釜(かま)に入れて火にかけ、番茶を焙(ほう)じて布袋に入れたものをその釜に入れる。煮立ったら箸(はし)などで袋を押して茶を浸出させて取り出す。米1カップを加えて煮て、柔らかくなったら火からおろし、熱いところを供する。米はさらりと仕上げ、粘りけがあってはならず、冷めると味が落ちる。アズキなど柔らかくするのに時間のかかる材料は、別に下煮をしておいて粥に加える。朝食に茶粥を食べる習慣は奈良京都和歌山地方に多い。

多田鉄之助

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日本の郷土料理がわかる辞典 「茶粥」の解説

ちゃがゆ【茶粥】


茶や茶の煎(せん)じ汁で、または布袋に入った茶を入れて、炊いたかゆ。西日本、特に京都・和歌山・大阪三重など近畿地方でよく作られ、奈良や山口では名物料理となっている。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「茶粥」の解説

ちゃがゆ【茶粥】

茶や茶の煎(せん)じ汁で、または布袋に入った茶を入れて、炊いたかゆ。西日本、特に京都・和歌山・大阪・三重など近畿地方でよく作られ、奈良や山口では名物料理となっている。

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普及版 字通 「茶粥」の読み・字形・画数・意味

【茶粥】ちやしゆく

濃汁茶。

字通「茶」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の茶粥の言及

【粥】より

…またサトイモ,サツマイモ,ダイコン,トチの実などを増量材として加えたものも行われていた。味をつけずに水から煮るのを本格とする考え方もあるが,塩はもちろん,茶で煮る茶粥,そのほか甘味料で煮たものをも粥と称しており,雑炊(ぞうすい)との区別の基準はかならずしも明確ではない。現在一般に行われている粥の作り方は,米を洗って行平(ゆきひら)か土なべのような厚手のなべに入れ,水を加えて30~60分吸水させてから火にかける。…

※「茶粥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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