荊楚歳時記(読み)ケイソサイジキ

デジタル大辞泉 「荊楚歳時記」の意味・読み・例文・類語

けいそさいじき【荊楚歳時記】

中国六朝時代の荊楚(現在の湖北湖南省)地方年中行事風俗を記録したもの。りょう宗懍そうりんの撰。6世紀半ばごろ成立。全1巻。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「荊楚歳時記」の意味・わかりやすい解説

荊楚歳時記
けいそさいじき

中国、南朝梁(りょう)代(6世紀)に、江陵湖北省)の人宗懍(そうりん)によって著された荊楚地方(揚子江(ようすこう)中流域の湖北省、湖南省一帯)の年中行事記。原名は『荊楚記』であったともいわれる。7世紀になって、隋(ずい)の杜公瞻(とこうせん)が注釈をつけ、『荊楚歳時記』という書名が確定するとともに、原書の内容が補足された。その内容は、正月年始の行事に始まり、競舟(けいしゅう)などの民俗行事、灌仏会(かんぶつえ)などの仏教関係の行事や諸種の風俗、習慣、民間信仰に至るまでのさまざまな範囲に及ぶ。

[中村圭爾]

『守屋美都雄訳注、布目潮渢他補訂『荊楚歳時記』(平凡社・東洋文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「荊楚歳時記」の意味・わかりやすい解説

荊楚歳時記
けいそさいじき
Jing-chu-sui-shi-ji; Ching-ch`u-sui-shih-chi

中国の揚子江中流域地方を中心とした年中行事記。6世紀,の宗懍撰。当時の庶民信仰習俗などがわかる。7世紀の初め頃,隋の杜公膽が改編増補し,注をつけた。中国歳時記の古典として後世まで広く読まれ,日本守屋美都雄の詳細な研究がある。

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百科事典マイペディア 「荊楚歳時記」の意味・わかりやすい解説

荊楚歳時記【けいそさいじき】

中国,梁の宗懍(そうりん)が6世紀に著した年中行事記で,民間のものとしては現存最古。隋の杜公瞻(とこうせん)が注を付している。荊楚(長江中流域)方面の生活記録であるが,注には南北の風俗の相違や年中行事の沿革などが付されている。

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旺文社世界史事典 三訂版 「荊楚歳時記」の解説

荊楚歳時記
けいそさいじき

南朝梁の宗懍 (そうりん) が当時の長江中流域の民俗を記した著書
荊楚(現在の湖北・湖南)地方の民間年中行事を儒学的装飾なしにそのまま描写したもので,当時の中国農民の生活を知りうる貴重な史料。

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