出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…草津温泉の湯花入りだとか,不老長寿の仙湯とか,あせも,ただれに効能があるとか,胃弱にきくとか称したのだが,なかには染料を投じただけのいかさま薬湯もあった。端午の節句の菖蒲湯(しようぶゆ)も冬至の日の柚子湯(ゆずゆ)も薬湯の一種と解してよい。自宅での入浴に使う薬品も販売された。…
…平安時代には,《枕草子》や《蜻蛉日記》に見られるように,五月節供に軒にショウブとヨモギをふいて魔よけのまじないとした。このほか,ショウブをまくらの下に敷いて寝たり,ふろや酒に入れて菖蒲湯や菖蒲酒にした。また貴族の間では,菖蒲蘰や菖蒲冑をつけ,腰には菖蒲刀をさしたり,〈菖蒲合せ〉といって根の長さを競って歌を詠む遊びも行われた。…
…式亭三馬の《浮世風呂》など銭湯を舞台とする小説が書かれたゆえんである。5月5日の菖蒲湯(しようぶゆ),冬至の柚子湯(ゆずゆ)などはいまも行われているが,明治以前は盆と正月の藪入り(やぶいり)の日にはその日の売上げを三助の収入とする〈貰湯(もらいゆ)〉も行われていた。なお,これは江戸にかぎらず船の出入りの多い港ではどこでも見られたものだが,一種の移動式銭湯とでもいうべき〈江戸湯船(えどゆぶね)〉,あるいは単に〈湯船〉と呼ぶものがあった。…
…一つは中国の端午の行事が宮廷を中心に上層部に受容され,その一部が民衆に伝わったと考えられる辟邪の風俗である。朱書の辟邪文を書いた天中赤符(端午符)を門に貼りつけたり,菖蒲湯で髪を洗い,女子は菖蒲の簪(かんざし)を頭に挿す。艾の葉を混ぜた車輪形の餅を食べたり,艾や盆母草等の薬草を採る。…
…また年中行事や祭と入浴の関連も深く,こうした〈物日〉にはかならず風呂をたてる習わしも一般的である。五月節句の菖蒲湯(しようぶゆ),冬至の柚湯(ゆずゆ),土用丑の日の入浴(丑湯(うしゆ))など,特定の日に薬湯に浴することも注目される。民間療法としての薬湯には多種類の草根木皮が用いられる。…
…また5月5日の端午を悪日とし蘭草やヨモギ(艾)の湯に入り邪気を払った。日本では957年(天徳1)和気時雨(ときふる)が典薬頭(てんやくのかみ)になったとき,村上天皇に健康法として5月5日に菖蒲湯(しようぶゆ)に入ることをすすめたという。そのほか,年中行事と結びつけた民間療法として土用の入りに桃の葉湯に入るとあせもを治すとか,冬至(とうじ)に柚子湯(ゆずゆ)に入ると,ひび,あかぎれを治し,一年中風邪を引かないという。…
※「菖蒲湯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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