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薄様 ウスヨウ

デジタル大辞泉の解説

うす‐よう〔‐ヤウ〕【薄様】

薄手の鳥の子紙雁皮紙(がんぴし)。また、一般に薄手の和紙。薄葉。⇔厚様(あつよう)
上方を濃く、下方をしだいに薄くぼかして染めること。曙(あけぼの)染め。
襲(かさね)の色目の名。衣を何枚か重ねて着るとき、同色のものを外側から内側へしだいに色を薄くして、下の2枚を白にする重ね方。

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世界大百科事典 第2版の解説

うすよう【薄様】

非常に薄い雁皮(がんぴ)紙を指し,薄葉,薄用などとも書く。平安時代から用いられてきた名称であるが,本来,紙の厚さを指す言葉なので,厚様(あつよう)・中様(ちゆうよう)などという表現もある。はじめは雁皮紙ばかりでなく,楮(こうぞ)紙などにも用いられたのであろうが,繊維の短い雁皮の薄紙は,美しい光沢を放つ滑らかな紙肌,緻密(ちみつ)な紙の地合などの印象が強いゆえか,薄様といえばもっぱら,雁皮紙の薄手の紙を指すようになった。

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大辞林 第三版の解説

うすよう【薄様】

薄く漉いた雁皮がんぴ紙・鳥の子紙など。薄葉紙。竹葉紙ちくようし。 ↔ 厚様
濃い色から次第に薄くぼかし最後は白を残す染め方。
かさねの色目の名。袿うちきを重ねて着る時、同色で、外を濃く中を次第に薄くして最後を白にする重ね方。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

薄様
うすよう

薄手の和紙のこと。薄葉とも書く。厚様(厚葉)に対することばで、平安初期に流し漉(ず)き法が確立されたことにより、薄紙の抄造が容易となった。平安時代の女性に好まれ、当時の文学作品のなかに多くの用例がみられる。『日葡(にっぽ)辞書』(1603)に薄様と薄紙があげられているが、とくに薄様は鳥の子紙の薄いものと解説されている。流し漉き法が一般化しても、ガンピ(雁皮)類を原料とした上代の斐紙(ひし)は薄手の紙に適しているため、薄様の主流はこの系統の雁皮鳥の子紙が占めていた。しかしコウゾ(楮)やミツマタ(三椏)などを原料としても、流し漉き法によって薄様を抄造することができ、近年では機械漉きの薄様紙も各種製造されている。現在の紙の分類では、和紙は1平方メートル当り20グラム以下、洋紙では40グラム以下の秤量(ひょうりょう)のものを薄葉紙としている。[町田誠之]

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世界大百科事典内の薄様の言及

【雁皮紙】より

…なお,和紙の技法の特色である流しずきは,奈良時代から平安時代にかけての時期に完成されたと推定されている。平安時代には,ガンピの薄紙である薄様(うすよう)が,とくに貴族の女性の間で,仮名書きの手紙や歌を書く用紙や包紙など(懐紙)として愛用された。各色に染めた薄様を重ね合わせ,中間色になる効果を楽しむなど,半透明の雁皮紙の特色がよく生かされている。…

【料紙装飾】より

…とくに紙肌が滑らかで,流麗な仮名書きに適した雁皮紙が愛用された。はじめは楮紙と雁皮紙を含めて,厚い紙を厚様(あつよう)(厚葉),薄い紙を薄様(うすよう)(薄葉)と呼んでいたものが,しだいに薄様とは雁皮紙をさすようになった。光沢が半透明な薄様は染紙にして,異なった色の薄様と重ね合わせて中間色にするなど,微妙な使い方がなされ,とくに女性の消息などに愛用された。…

※「薄様」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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