藤間勘兵衛(3代)(読み)ふじま・かんべえ

朝日日本歴史人物事典 「藤間勘兵衛(3代)」の解説

藤間勘兵衛(3代)

没年:文政4.12.20(1822.1.12)
生年:生年不詳
近代日本舞踊主要流派の祖となった江戸後期の劇場振付師養子に大助(2代目勘十郎),亀三郎(4代目中村歌右衛門)など,弟子に藤間勘助(4代目西川扇蔵)などを輩出。2代目藤間勘兵衛養女みよ(4代目勘兵衛)の婿。寛政2(1790)年に勘兵衛を襲名。同10年から勘十郎を名乗るが,晩年は勘兵衛に戻った。3代目坂東三津五郎の「七枚続花の姿絵」をはじめ,変化舞踊の隆盛に振付の面から貢献した。魚問屋丁稚が見込まれて入り婿になったという出世話,大名側室との密通が露見し殺害されたという噂など,波乱万丈の人生は天性才能を持ち合わせた人の宿命さえも感じさせる。没月日は12月21日とも。4代目以降は代々女性の踊師匠によって継承され,正系は明治期の7代目で廃絶。<参考文献>町田博三「東都振付師列伝」(『演芸画報』1921年2月号)

(丸茂祐佳)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤間勘兵衛(3代)」の解説

藤間勘兵衛(3代) ふじま-かんべえ

?-1822* 江戸時代後期の振付師。
魚問屋の店員だったが踊りの才能をみとめられ,2代藤間勘兵衛の養女の婿となる。寛政2年に3代を襲名するが,一時期,家をはなれ勘十郎の名で活躍した。「汐汲(しおくみ)」「源太」などおおくの名作の振り付けを手がけ,藤間流の全盛時代をきずいた。文政4年12月20/21日死去。

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