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少年法で規定される非行少年の一種。規定は一定事由のもと性格・環境に照らして将来罪を犯し、または刑罰法令に触れる虞(おそれ)のある少年を審判に付するとしている。この虞犯事由とは、保護者の正当な監督に服しない性癖のあること、正当な理由なく家庭に寄り付かないこと、犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、いかがわしい場所に出入りすること、自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること、である。少年審判の結果によって保護手続の対象になる。14歳未満の場合は触法少年とほとんど同じで、都道府県知事または児童相談所長から送致を受けたときに限り審判に付される。ところで、家出、交友不良、怠学、夜間徘徊(はいかい)などの行為は児童福祉法でいう不良行為と重なり、また罪を犯す虞とは客観的に判断することが困難な概念である。したがって、14歳から18歳未満の場合には、保護者または警察は家庭裁判所に直接送致・通告するか児童相談所に通告するか選択できる。
[渡辺則芳]
『矢島正見著『少年非行文化論』(1996・学文社)』▽『近畿弁護士会連合会少年問題対策委員会編『非行少年の処遇――少年院・児童自立支援施設を中心とする少年法処遇の現状と課題』(1999・明石書店)』▽『山口幸男著『司法福祉論』増補版(2005・ミネルヴァ書房)』▽『小林英義著『児童自立支援施設の教育保障――教護院からの系譜』(2006・ミネルヴァ書房)』▽『岩本健一著『児童自立支援施設の実践理論』改訂版(2007・関西学院大学出版会)』▽『澤登俊雄著『少年法入門』第4版(2008・有斐閣)』▽『守山正・後藤弘子編著『ビギナーズ少年法』第2版補訂(2009・成文堂)』
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…(2)触法少年 14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした者。(3)虞犯(ぐはん)少年 性格,環境に照らして,将来罪を犯し,または刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年。ただし〈保護者の正当な監督に服しない性癖がある〉〈正当の理由なく家庭に寄りつかない〉〈犯罪性のある人,不道徳な人と交際したり,いかがわしい場所に出入りする〉〈自己または他人の徳性を害する行為をする性癖がある〉という事由のうちのいずれかが認められる場合でなければならない(少年法3条1項)。…
…その行為の主体者を非行者delinquentといい,少年にも成人にもあてはまるが,一般には青少年の反規範行為に対して用いられ,〈少年非行juvenile delinquency〉という場合が多い。日本の少年法では,(1)14歳以上20歳未満で刑法に触れる罪を犯した少年を〈犯罪少年〉,(2)14歳未満で刑法に触れる行為をした少年を〈触法少年〉,(3)保護者への反抗や不良交遊等の傾向が強く将来罪を犯すおそれのある少年を〈虞犯(ぐはん)少年〉と規定している。
[少年非行の動向と特徴]
第2次大戦後における少年非行の推移を刑法犯検挙人員の人口比(人口1000人に対する割合)でみると,三つの大きな波がみられる。…
※「虞犯少年」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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