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蛍光X線分析 けいこうえっくすせんぶんせき/けいこうXせんぶんせき

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知恵蔵2015の解説

蛍光X線分析

絵画や文化財などの顔料や資料の分析に用いられる技術。江戸時代の絵師、尾形光琳作「紅白梅図屏風」(国宝、MOA美術館所蔵)を東京文化財研究所が2004年に顔料分析した。その結果、屏風絵の金地部分が、定説となっていた金箔による表現ではなく、金箔そっくりに描かれていた可能性が浮上し注目された。銀箔とされていた中央の流水の部分も、金属の顔料ではなく、有機染料が使われていた可能性が高いことも指摘された。X線を美術品や壁画などに照射すると、資料の金属元素が固有の2次的X線(蛍光X線)を発生させる。その原理を応用して、資料に触れることなく、資料中の元素の種類や量を特定できる。さらに高精細デジタルカメラによる画像分析と組み合わせることで、より詳細な分析が可能となった。これらの技術によって、平安時代に描かれた「仏涅槃図(ぶつねはんず)」(国宝、金剛峰寺〈こんごうぶじ〉所蔵)の、退色し肉眼では見えなくなった円光や文様の復元が可能になるなど、多くの成果が上がっている。

(山盛英司 朝日新聞記者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

けいこうエックスせん‐ぶんせき〔ケイクワウ‐セン‐〕【蛍光X線分析】

X線を照射したときに放射される蛍光X線を測定して、試料中の元素の検出・定量を行う分析法。その波長と強度から、ホウ素より重い元素を対象とした元素の組成や量についての情報が得られる。非破壊分析法の一つとして、文化財の調査、犯罪捜査などに用いられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

けいこうエックスせんぶんせき【蛍光X線分析 X‐ray fluorescence analysis】

物質にX線を照射するとその物質中の元素に特有の波長の蛍光X線(固有X線)が放射されるので,その波長によって物質中の元素の定性分析を,また各元素の蛍光X線の強度から定量分析を行う元素分析法。物質に照射するX線は一次X線といい,通常はX線管球から得る。一次X線として単色X線(一つの波長のみから成るX線)を用いる場合は,その波長より長波長の固有X線しか出ない。X線管球としては,タングステンモリブデンロジウム,銀などを対陰極(陽極)としたものが使われ,これらの単色または連続X線が一次X線となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蛍光X線分析
けいこうえっくすせんぶんせき
X-ray fluorescence analysis

蛍光X線スペクトルによる元素分析をいう。ある元素をX線管球からの一次X線で励起すると、二次X線すなわち蛍光X線(元素に固有な特性X線)を発生する。これをX線分光器によって波長を選別し、波長から定性分析を、強度から定量分析を行う。また、他の線源で励起する方法も含まれる。ホウ素より重い全元素を分析できる。測定に際し固体試料などはそのまま測定でき、また形状その他にも制約がないなどの特長があり、非破壊分析法として生産現場や研究所、文化財調査、環境分析、犯罪捜査などにおいてもっとも広く利用されている方法の一つである。[高田健夫]
『加藤誠軌編著『X線分光分析』(1998・内田老鶴圃) ▽合志陽一監修、佐藤公隆編『X線分析最前線』改訂版(2002・アグネ技術センター)』

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世界大百科事典内の蛍光X線分析の言及

【分光分析】より

…収束した電子線を用いたX線発光分析装置はX線マイクロアナライザーX‐ray microanalyserと呼ばれ,物質の局所的な元素組成の分析に有用である。蛍光X線法X‐ray fluorescence analysisは,X線の照射によって試料中の原子を励起する以外はX線発光法と同一の分析法で,やはり金属元素などの分析に適している。X線吸収法X‐ray absorptiometryは,発光法に比べ一般的でないが,最近EXAFS(広域X線吸収微細構造extended X‐ray absorption fine structureの略)が,新しい状態分析の手段として注目を集めている。…

※「蛍光X線分析」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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