裾野(読み)スソノ

デジタル大辞泉 「裾野」の意味・読み・例文・類語

すそ‐の【裾野】

山麓の緩やかな傾斜地
上部にあるものを支える基礎になるもの。「科学教育裾野
ある物事の関係する範囲。また、組織などの規模。「愛好者の裾野が広い競技」「市場の裾野拡大」
[類語]山麓山裾山辺

すその【裾野】[地名]

静岡県北東部の市。箱根用水の完成により、富士の裾野の火山灰地が水田に変わったが、現在はアルミ自動車部品工業が盛ん。人口5.5万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「裾野」の意味・読み・例文・類語

すそ‐の【裾野】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 山麓がゆるやかな傾斜で遠くまでのびて野原となった所。火山の噴出物が堆積してできた緩斜面原野をもいう。
    1. [初出の実例]「夕日さすすそののすすき方よりにまねくや秋を送るなるらん〈源頼綱〉」(出典:後拾遺和歌集(1086)秋下・三七一)
  2. [ 2 ] 静岡県東部の地名。箱根外輪山西斜面から富士・愛鷹(あしたか)山東斜面にひろがる。果樹栽培・園芸のほか、機械・電機部品工業がさかん。昭和四六年(一九七一市制

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「裾野」の意味・わかりやすい解説

裾野(市)
すその

静岡県東部にある市。箱根外輪山西斜面と愛鷹山(あしたかやま)東斜面にまたがって位置する。1952年(昭和27)小泉、泉の2村が合併して裾野町が成立。1956年深良村、1957年富岡、須山の2村を編入。1971年市制施行。市名は富士山の裾野に位置することによる。JR御殿場(ごてんば)線、国道246号が通じ、東名高速道路の裾野インターチェンジがある。北部を国道469号が横断し、東端の神奈川県箱根(はこね)町との境界沿いに芦(あし)ノ湖スカイラインが走る。1670年(寛文10)の箱根用水(深良用水(ふからようすい))の完成は、富士の裾野(裾野市)の火山灰地を水田に変え農業地帯となった。現在は富士芝、野菜の生産も多い。近年、自動車、非鉄金属、食品などの工場が進出、宅地造成も盛んで、三島(みしま)、沼津のベッドタウン化しつつある。広い原野の観光牧場、富士サファリパークレジャーランドの「ぐりんぱ」、十里木高原(じゅうりぎこうげん)の風穴・氷穴など観光資源にも富む。黄瀬川にかかる五竜の滝の周辺は中央公園となっており、園内の旧植松家住宅は国の重要文化財に指定されている。面積138.12平方キロメートル、人口5万0911(2020)。

[川崎文昭]

『『裾野』(1965・裾野町)』『『裾野町百年史』(1969・裾野町)』『『裾野市史』全9巻(1991~2000・裾野市)』


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改訂新版 世界大百科事典 「裾野」の意味・わかりやすい解説

裾野[市] (すその)

静岡県東部の市。1971年市制。人口5万4546(2010)。東は箱根外輪山を境に神奈川県に接し,西に富士山と愛鷹(あしたか)山のすそ野が広がる。中央を黄瀬川が南流し,市街地は富士山の溶岩流でできた台地上にある。火山灰地や溶岩台地が広く水利に恵まれなかったが,1670年(寛文10)深良(ふから)の農民などが芦ノ湖から引水する箱根用水(深良用水)を建設,以後開田が促進された。農業は水稲,イチゴ,富士芝などの栽培が中心であるが,養豚,ブロイラー,鶏卵などの畜産も盛んである。1963年の東駿河湾工業整備特別地域の指定以降,自動車組立ておよび関連部品,アルミニウム,電気機械などの工場が進出し,工業化が著しい。JR御殿場線,東名高速道路,国道246号線が通り,東京方面からの観光客も多い。富士山麓の十里木高原,日本ランド,黄瀬川の五竜の滝,佐野川の景ヶ島渓谷などの景勝地もあり,重要文化財の旧植松家住宅もある。
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百科事典マイペディア 「裾野」の意味・わかりやすい解説

裾野[市]【すその】

静岡県北東部の市。1971年市制。東部は箱根山麓,西部は富士山麓で,中部の黄瀬川流域に主集落の佐野があり,御殿場線,1988年裾野インターチェンジ開通の,東名高速道路,国道246号線が通じる。自動車部品,金属の大工場が進出し,製造品出荷額の約7割(2003)を占めている。箱根用水による水田が開け,野菜・果樹栽培も盛ん。138.12km2。5万4546人(2010)。

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農業関連用語 「裾野」の解説

裾野

山麓が遠く延びてゆるやかな斜面をなす地域にある農業集落をいう。

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