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言語美学 げんごびがくlinguistic aesthetics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

言語美学
げんごびがく
linguistic aesthetics

文体論の一つ。文学作品を対象として,その作品が読者に与える印象の記述と分析,作家の個性とその文体との関係の追求を目的とする。言語学者でこの分野に注意を向けたのはドイツの K.フォスラーで,彼は W.フンボルトの言語観と B.クローチェの美学の影響のもとに,言語を生み出す主体としての個人を重視し,個人の性格や心理を反映する文体の研究を言語研究の中心に据えた。フォスラーの後継者 L.シュピッツァーは文体的文芸批評の創始者として知られる。日本では小林英夫が日本の文学作品を分析して言語美学を建設した。

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デジタル大辞泉の解説

げんご‐びがく【言語美学】

文体論の一。文学作品の文体がもつ美的効果を作者の個性との関連において解明しようとする学問

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大辞林 第三版の解説

げんごびがく【言語美学】

文体論の一種。芸術的な意図をもった文章の文体的な特徴を作者の全人格との関連において解明しようとする学問。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

言語美学
げんごびがく

ドイツの言語学者フォスラーの思想を範として、1930年代に小林英夫(ひでお)の提唱した学問。文章に表れた作者の個性としての文体を研究する。ことばの美的な質を扱う古典的な学問としての詩学やとくに修辞学は、模範的作例の検討を含んでいたが、それらの作例を作者の精神世界の表現とみることはなかった。そのような見方は、近世的自我の自覚の所産であり、フランスの植物学者ビュフォンのことば「文は人なり」Le style est l'homme mme.をもってその標語とした。この個性尊重の近代思潮のなかで生まれてきたのが文体論であるが、20世紀思想の変遷のなかで、個性の表現としての文体という概念は生き残ったものの、その専門的学科としての言語美学は独立性を得るに至らなかった。フォスラーやその弟子のシュピッツァーは言語学的文学研究の興隆に重要な寄与をなしたが、現在の文学研究の主流は、むしろ新批評や構造主義の系列に属し、新たな意味で詩学や修辞学を標榜(ひょうぼう)する客観的分析のほうにあり、さらには受容美学や一部の記号論のように、読者の役割を重視する方向に展開している。[佐々木健一]

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