普及版 字通 「賄(漢字)」の読み・字形・画数・意味
賄
常用漢字 13画
[字訓] おくる・まいない・たから
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(有)(ゆう)。は肉を手にもつ形で、「侑(おく)る」意がある。〔説文〕六下に「財なり」とあり、〔詩、衛風、氓〕「爾(なんぢ)の車を以て來(きた)れ 我が賄を以てらん」の〔伝〕に「財なり」という。人に贈ることを本義とし、〔左伝、文十二年〕「厚く之れに賄(おく)る」のように用いる。〔左伝、襄二十八年〕「事を先にして賄を後にするは、禮なり」とあって、謝礼として贈るのはよいが、〔左伝、昭六年〕「亂獄(ますます)豐(おほ)く、賄賂竝びに行はる」のように、請託は賄賂にして不正なるものとされた。
[訓義]
1. おくる、謝礼としておくる、まいないとしておくる。
2. まいない、わいろ。
3. たから。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕賄 オクル・タカラ 〔字鏡集〕賄 オクル・マヒナヒ・タカラ
[語系]
賄xuiは・右・宥hiuと声義の関連がある。は肉を以て侑(すす)める意。賄は財を以て侑めることをいう。神の心をうることを宥といい、佑助を右という。本来は神意を和らげるために、神に侑める意である。
[熟語]
賄遺▶・賄貨▶・賄交▶・賄謝▶・賄嘱▶・賄贈▶・賄託▶・賄脱▶・賄買▶・賄免▶・賄賂▶
[下接語]
貨賄・姦賄・賄・行賄・厚賄・坐賄・財賄・市賄・資賄・収賄・贈賄・贓賄・貪賄・徴賄・通賄・贖賄・納賄・用賄・容賄・労賄
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報