資材管理(読み)しざいかんり(その他表記)materials management

改訂新版 世界大百科事典 「資材管理」の意味・わかりやすい解説

資材管理 (しざいかんり)
materials management

企業経営に必要な原材料・部品・消耗品などの入手のため,必要な品目・量・時期・価格を計画・購入・保管・配布投入する機能をいう。製造業では主資材変質変形・結合され製品となるもので部品を含む)と,副資材(製品化の工程に必要とされるが製品の一部にならないもの)が対象となり,サービス業・商業などでは主として消耗品・設備部品などが対象となる。資材管理の内容は計画・購買・保管・棚卸しに大別される。資材計画は,生産計画・消耗度などから計算される投入計画と,在庫量・納期・必要量の変動を勘案した調達発注計画とに分けられる。購買は,内部で製作する内作,外部から購入または外部に加工依存する外注区分を決める内外作区分決定,購入先決定,購入条件決定,納入管理,検収,経理の各機能に分かれる。保管は資材の在庫管理である。これらの一連の計画・統制・管理の機能をみたすため,購入先の評価・相見積りと評価,コンピューターを用いた事務処理システム,および納入された資材の検収・運搬・保管・出庫・棚卸し・処分廃棄という物的運搬システムの複合したシステムを総合的・効率的に運営することになる。
在庫管理 →生産管理
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「資材管理」の意味・わかりやすい解説

資材管理
しざいかんり
material management

生産に必要な資材を、生産活動の進展に対応させて生産過程に投入し、流れを統制すること。生産に必要な資材は、製品の原材料として直接に製品化されるものと、製品化のために消費される燃料のようなものとがある。前者を主資材、後者を副資材という。必要な資材の内容、量、時期は、生産計画が決定されれば判明するから、資材管理の第一歩は、これら必要資材に関する資材計画(所要量計画、調達計画、在庫計画)を作成することである。次に、資材計画に基づく実際の調達活動(発注・検収、内作)と、調達した資材の保管活動(現物の維持、保管情報の整備)とがある。ここでは、適正在庫の保持がもっとも重要である。在庫は要求に応じて出庫され、生産現場に送り込まれる。生産現場の資材管理では、工程間の不均衡による仕掛(しかかり)品の滞留に注意しなければならない。資材管理の巧拙は、生産費に大きく影響する。

[森本三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「資材管理」の意味・わかりやすい解説

資材管理
しざいかんり
materials management

工場において生産の対象となる資材の計画,購買 (調達) ,保管,消費を合理的に遂行するために行う管理活動をいう。製造企業における経営管理の専門領域の一つ。直接的に取扱うものは,原材料,消耗品,仕掛品,製品・商品などの棚卸資産であり,資材の計画から消費にいたるまでの全過程において,資材費の低減と棚卸資産回転率の向上をはかることを目的に,計画機能,購買機能,保管機能のほか,外注管理などの機能を果している。

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世界大百科事典(旧版)内の資材管理の言及

【在庫管理】より

…企業活動において保管を必要とする物品(在庫品)の数量的・時間的計画と統制および在庫品の受入れ・払出し・保管・点検・事務処理などの一連の作業・手続活動をいう。在庫品とは資材・副資材・部品・完成製品・仕掛品・商品すべてを指すが,資材についてはとくに資材管理として商品・部品・製品・仕掛品の在庫管理と区別することもある。これらの在庫品の品目や品目別数量は企業活動に伴ってつねに変動する。…

※「資材管理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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