資産効果(読み)しさんこうか(英語表記)asset effect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

資産効果
しさんこうか
asset effect

資産の保有が消費支出に及ぼす効果のことで,所得が同一であれば,保有する資産が多いほど消費者は消費支出を高めることになるというもの。これを流動資産である貨幣についてみてみると,かりに名目的な貨幣存在量が一定であるとしても,価格水準が低落すれば貨幣の実質価値は増大し,これが消費支出を高める方向に作用することになる。この貨幣の実質価値の増大が消費支出の増加に及ぼす効果を D.パティンキン実質残高効果と名づけた。この効果は先に A.C.ピグーによっても提唱された。この実質残高効果は消費関数論争において,流動資産仮説の中に取入れられている。

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世界大百科事典 第2版の解説

しさんこうか【資産効果 assets effect】

さまざまな経済主体の行動に影響を与える要因として,それぞれが保有する資産の大きさを挙げることができる。この資産効果は,もう一つの主要因である所得効果(所得効果・代替効果)と併置されるものである。経済学で資産効果が初めて問題となったのは,J.M.ケインズ消費関数をめぐってであった。ケインズは《一般理論》で,消費を決定するおもな要素として国民所得を挙げて,限界消費性向の大きさが,投資や財政支出の乗数効果(〈乗数理論〉の項参照)と密接な関係をもつということを強調した。

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大辞林 第三版の解説

しさんこうか【資産効果】

保有する土地や株式などの資産価格や資産残高の実質価値が高まり、それが個人消費・住宅投資・設備投資などを刺激する現象。

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