(読み)ヒン

デジタル大辞泉 「賓」の意味・読み・例文・類語

ひん【賓】[漢字項目]

常用漢字] [音]ヒン(呉)(漢) [訓]まろうど
大切に扱われる客。「賓客貴賓迎賓国賓主賓来賓
主に対するもの。「賓辞
[名のり]うら・つら
難読賓頭盧びんずる

ひん【賓】

敬ってもてなすべき客人。また、訪れて来た人。
仙宮の―と携はり」〈霊異記・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「賓」の意味・読み・例文・類語

ひん【賓】

  1. 〘 名詞 〙
  2. うやまって応対すべき客人。来賓。また、おとずれて来る人。客。旅人。
    1. [初出の実例]「沖虚の外に飛び、仙宮の賓と携り」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    2. [その他の文献]〔書経‐康王之誥〕
  3. つき従うこと。また、そのもの。そえもの。
    1. [初出の実例]「名実之賓、所貴者実也」(出典:空華日用工夫略集‐応安四年(1371)三月六日)
    2. 「明暗」(出典:<出典>)
    3. [その他の文献]〔国語‐楚語上〕

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普及版 字通 「賓」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

(旧字)
人名用漢字 14画

[字音] ヒン
[字訓] まろうど・もてなす・みちびく・したがう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
宀(べん)+万+貝。〔説文〕六下に「なり。貝に從ひ、(べん)聲」とするが、に従う字形ではない。卜文・金文の字形にみえる万の部分は、羲の下部にみえる(こう)の部分と同じく、牲体の下半を示し、金文にをまたとしるすものがあって、に牲を薦める意。さらに貝を加えてとなる。神霊を迎えるときの礼。賓は賓客。賓客とは、古くは客神を意味した。〔玉〕に「客なり」とあり、客は客神をいう語である。〔詩、周頌、有客〕は、殷の祖神を客神として周に迎えることを歌う。賓は客神。またその客神を迎え送ることを、賓迎・賓送という。それよりして人に返報するを賓といい、主に対して客礼をとることを賓といい、主従の礼をとることを賓服賓従という。

[訓義]
1. まろうど、まれなる人、客神。
2. よそびと、たずねくるひと。
3. やどる、もてなす、うやまう、みちびく。
4. したがう、あう。
5. 浜と通じ、ほとり。
6. 擯(ひん)と通じ、すてる、しりぞける。

[古辞書の訓]
和名抄客 末良比止(まらひと) 〔名義抄 マラフド・ムカシ・シタガフ・ウヤマフ・キタル・ムカフ・ミチビク 〔字鏡集〕 キモノ・キタル・タカフ・ムカフ・ムナシ・ミチビク・シタガフ・ウヤマフ・アキラカ・マラウド

[声系]
〔説文〕に声として殯・・鬢・嬪など十字を収める。殯は殯葬導、みな神事・儀礼に関する字である。これを以ていえば濱(浜)・擯などにも、の声義を承けるところがあると考えられる。

[語系]
・殯・濱pienは同声。邊(辺)pyenは声近く、辺境の祭梟(さいきよう)(首祭)を行うところ、また異神と接するところである。bienは水涯、水に臨んで祭る意象の字で、陸には邊、水には(ひん)という。濱も水辺で行う葬送の礼に関する字であろう。

[熟語]
賓位・賓・賓階・賓館賓雁賓戯・賓客賓敬賓献賓貢・賓佐・賓座賓尸・賓師・賓事・賓次・賓日・賓実・賓射・賓主・賓従・賓将・賓食・賓席・賓接・賓賓属・賓待・賓長・賓天・賓白賓賓賓附・賓服・賓伏賓辟賓朋・賓萌・賓末・賓滅・賓友・賓余・賓旅・賓侶・賓僚・賓礼・賓老
[下接語]
燕賓・佳賓・嘉賓・外賓・貴賓・群賓・迎賓・貢賓・国賓・主賓・衆賓・尚賓・上賓・賓・大賓・待賓・典賓・拝賓・揖賓・礼賓・来賓

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