家庭医学館 「赤ちゃんの世話」の解説
あかちゃんのせわ【赤ちゃんの世話】
◎赤ちゃんの機能の特徴と発達
◎赤ちゃんの気になる症状と対策
◎赤ちゃんのからだの特徴と発育
新生児の時期には、分娩(ぶんべん)時のストレスや、お母さんが合併症をもっている場合にはその影響により、いろいろな異常がでやすいものです。
ミルクの飲みが悪かったり、元気がないと感じたら、早めに専門医に相談しましょう。
受診するときは、母子健康手帳を必ず持参してください。
●身長・体重
表「新生児の出生時の平均値」に、正常な新生児の平均値を示してあります。身長の伸びは、1か月に約5cmで、体重は1か月に約1kg増加します。
生まれたときの赤ちゃんの体重が、4000g以上の場合を巨大児(きょだいじ)と呼び、お母さんが糖尿病(とうにょうびょう)(「糖尿病」)を合併していることもあります。
体重が2500g以下の赤ちゃんは低出生体重児(ていしゅっしょうたいじゅうじ)と呼ばれ、特別な養護が必要になる場合もあります。
●胸囲(きょうい)
生まれたときの赤ちゃんは、胸囲より頭囲(とうい)のほうが、男女とも約0.5cm大きいのですが、生後1~2か月後には、胸囲が頭囲をわずかに上まわるようになります。
●頭
生まれたばかりの赤ちゃんの頭は、お母さんの狭い産道(さんどう)をくぐり抜けてくるため、細長く変形しているのがふつうです。寝かせ方により、下になっている頭は平べったくなります。気になるときは、寝ている赤ちゃんの頭の位置をまめに変えてあげましょう。
頭の形と脳の発育とは、極端な場合を除き関係ありません。
くびにしこりがある場合は、筋性斜頸(しゃけい)(「筋性斜頸」)の疑いもありますので、専門医に相談してください。
ひたいの少し上の部分に、骨が欠けているような部分がありますが、これは大泉門(だいせんもん)と呼ばれ、脳が発育するための余裕の部分と考えてください。ただし、異常に膨(ふく)れていたり、陥没しているときは専門医に相談してください。
●皮膚
出生時には、四肢末端(ししまったん)(手足の先)は冷たいものですが、生後24時間でばら色となり、あたたかくなります。
顔面や体幹(たいかん)(胴体(どうたい))の皮膚に、まだらな濃いばら色の発赤(ほっせき)が現われることがありますが、新生児紅斑(こうはん)と呼ばれるもので、病的なものではありません。
また、おしりに出る青いあざは蒙古斑(もうこはん)といい、5~6年で自然に消えます。
生後2週間ぐらいに出てくる赤いあざで、皮膚より上にもり上がり、表面がぶつぶつしているものを、いちご状血管腫(けっかんしゅ)と呼びます。1~3か月で大きくならなくなり、5~6歳でほとんど消えてしまうことが多いようです。
皮膚の下にもりあがった血管腫は、海綿(かいめん)状血管腫と呼ばれています。
また、母体や胎盤(たいばん)に由来するホルモンの作用により、約30%の新生児に乳腺(にゅうせん)の腫大(しゅだい)(腫(は)れ)がみられますが、生後3週間以内になくなります。
女の子の場合、生後4~6日ごろに一過性の子宮出血をみることがありますが、これも一時的なホルモンの影響なので心配ありません。
●体温
新生児の体温は、出生直後、体温調節機能不全やからだの冷却などにより、1~2時間で35℃にまで下降します。
その後2~3時間で、36.5~37℃に安定してくるのがふつうです。
新生児の場合、発熱とは皮膚温で37.5℃以上あるときをいいます。
●呼吸
娩出(べんしゅつ)直後の新生児の第一呼吸が開始されるのは、血中の二酸化炭素濃度の上昇、皮膚の寒冷刺激などにより、呼吸中枢が刺激されるためです。
第一吸気(きゅうき)から第一呼気(こき)(第一声、うぶ声)、胸式呼吸、腹式呼吸の順序で開始し、約24時間で安定します。呼吸の回数は、1分間に40~60回です。
●心臓
胎児(たいじ)の心拍数(しんぱくすう)は、1分間に140~160前後ですが、新生児の心拍数は、生後約10日間で、1分間に110~140と安定してきます。1分間の心拍数が200以上のときには洞性頻脈(どうせいひんみゃく)、80以下では先天性心ブロック(刺激伝導障害)が疑われます。
循環血液量は、体重1kgあたり約100mℓです。
●腎臓(じんぞう)
新生児の腎臓のはたらきは未熟で、成人の10~40%にすぎません。しかし、一般に成長、発育、栄養などの条件が満たされていれば、子宮の外での生活に十分適応できます。
新生児の初回排尿は、生後15時間以内にみられます。尿量は、生後1週間で200mℓとなり、回数は、生後1週間までは1日6~8回、以後1日10~15回と増加します。
●消化器
新生児は、出生時から乳を飲むという吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)をもっており、10秒間に約13回ぐらい吸う力をもっています。しかし、お母さんの乳管(にゅうかん)の開通が悪く乳の出が悪いときには、新生児は疲れてすぐ寝てしまいます。1回の哺乳(ほにゅう)時間が10分ぐらいで、赤ちゃんがその後2時間ぐらい寝るようなら、十分に乳が出ていると思ってよいでしょう。
胃の内容量は30~40mℓで、母乳の消化・吸収に必要な三大栄養素の分解酵素をもち、機能は十分に備えています。摂取した母乳やミルクは約3時間で胃から腸に移り、約8時間後に便(べん)として排泄(はいせつ)されます。
生後初めて排泄される便は緑黒色で、これは胎便(たいべん)と呼ばれています。母乳栄養児の便は酸性で、黄色や黄緑色を示し、人工栄養児ではアルカリ性のことが多く、顆粒(かりゅう)が大きいのがふつうです。
●肝臓
全新生児の80%に、肉眼で確かめられる皮膚の黄色みがあります。出生後4~5日目で強くなり、10~14日以内には消失するのが一般的ですが、これらは生理的黄疸(おうだん)と呼ばれ、まったく正常な現象です。しかし、生後2週間以上たっても黄疸が消えず、体重の増加がみられなかったり、元気がない場合には、先天性胆道閉鎖(たんどうへいさ)(「(先天性)胆道閉鎖症」)や核黄疸(かくおうだん)(「核黄疸」)も疑われるので、専門医に相談してください。
◎赤ちゃんの機能の特徴と発達
人の一生は、オギャーと生まれるところから始まるのではなくて、受精した段階、すなわちお母さんのおなかの中からすでに始まっているのです。
したがって、白紙の状態で出生するというわけではなく、おなかの中から引きつづいた発育をしているので、生まれてきたときには、赤ちゃんはもうすでにいろいろなことができます。
●視覚(しかく)
赤ちゃんは目が見えている、ということはすでに明らかになっていますが、最近の研究により、視力はどれくらいか、色や形はわかるのか、まわりの社会がどんなふうに見えているのかなどについても、かなりわかってきました。
視力 あるものを見るとき、その点から発した光が目のレンズを通過して網膜(もうまく)に像を結びますが、この網膜の細胞が未熟なため、おとなより視力が悪いと考えられています。けれども、赤ちゃんは杆状(かんじょう)細胞という細胞が発達しているために、暗がりでの視力は、成人と比べてもあまりおとりません。
色彩感覚 あるテストで、赤と白は区別できたのに対し、青、緑、黄と白は区別ができない赤ちゃんが多く、紫外線には敏感なことがわかっています。
視覚野(しかくや) 網膜からの信号が、大脳の後頭葉(こうとうよう)というところにある視覚野に伝えられ、視覚として感じられます。しかし、赤ちゃんの視覚野は未発達で、情報のスムーズな伝達ができません。赤ちゃんのものの見方は、1度に1つずつ、個々の部分を別々に見ることが多く、とくに背景と強いコントラストをなしているものに注意をひかれます。
人の顔を見るときも、ひたいの生え際や、あご、ひとみなどをじっと見つめますが、相手の顔全体をつかめるのは、生後2、3か月たってからです。
遠近感と視野 赤ちゃんは、焦点を合わせる機能が未熟で、焦点は約20~30cmにあっています。このため、遠くのものはぼけてしまうので、あまり興味がわかず、人がすぐかたわらにくるまで無視していることが多いのです。また、視野はとても狭く、中心からわずか15度以内の光にしか興味をもちません。
視覚の発達 2~3か月ごろになると、ものが動いても別のものに見えることはなくなり、4か月ごろには、目の焦点が調節できるようになります。6~8か月ごろには、かなりおとなに近い視覚機能を獲得します。
●聴覚(ちょうかく)
音を内耳(ないじ)に伝える鼓膜(こまく)や耳小骨(じしょうこつ)と内耳は、すでに成人と同じ大きさに発達していますが、聴神経線維(ちょうしんけいせんい)は未完成です。したがって、聴覚の閾値(いきち)(限界値)は成人と同じレベルに達しているけれども、広い意味での聴覚機能は、脳が未発達のため成人とは若干異なります。
しかし、妊娠の後半から胎児が、音楽に反応して心拍数が変動することからもわかるように、生まれたときにはもうしっかりと音が聞こえるようになっています。最近では、とくにお母さんの声に特別の反応を示すことがわかっていますし、おなかの中にいるときにずっと聞いていた心臓の拍動(はくどう)の音や、臍帯(さいたい)(へその緒(お))を流れる血流の音を、泣いている赤ちゃんに聞かせてあげると、静かになってすやすやと寝はじめることもよく知られています。
●味覚(みかく)
赤ちゃんは甘み、塩味、酸み、苦(にが)みなどがわかり、砂糖水や母乳などは満足そうな表情をしてよく飲みますが、塩水や酸っぱい水にはいやな顔をしたりして、あまり飲みません。
これは、赤ちゃんがすでに味を識別することができるからですが、おとなの味覚とは少しちがうようです。
生まれてから3~5か月くらいの、ちょうど離乳食がそろそろ始められるころから、乳汁(にゅうじゅう)以外のいろいろな味を経験し、それを記憶することによって味覚が発達し、その子ども本来の味覚が形成されていきます。
●嗅覚(きゅうかく)
生まれてから5~6日目には、自分のお母さんのにおいを嗅(か)ぎ分けて反応します。10日くらいたつと、その区別がより明瞭(めいりょう)になってきます。
●皮膚の感覚
触覚(しょっかく) おなかの中にいるころから、手や足を刺激すると目を開けたり、からだを動かしたりすることがわかっています。生まれてくるころには、すでに触覚はよく発達していて、とくにくちびる、鼻粘膜(びねんまく)、手や足のうらが敏感です。赤ちゃんの鼻先やまぶたに触れるとまばたきをする瞬目(しゅんもく)反射や、くちびるの周囲やくちびるをこすると顔がそちらをむき、乳くびを捉えようとする四方(しほう)反射、口唇(こうしん)反射が認められます。
痛覚(つうかく) 赤ちゃんは、痛みの刺激に対して、声を出したり、顔をしかめたり、からだを動かしたりしますから、ある程度の痛みは十分感じているはずですが、それほど敏感ではないといわれています。けれども、生後6~8週で、成人と同様の反応になります。
●赤ちゃんの能力
赤ちゃんは、お母さんの顔、声、体臭、からだの輪郭や、お母さんの日常生活のサイクルなどを急速に学習していきますが、これは識別する能力をもっているからです。
赤ちゃんのコミュニケーションの音声は、激しく泣くだけでなく、弱々しい泣き声やげっぷ、うめき、クークー音、ため息などです。また、悲しみやうれしさ、驚きなどのお母さんの顔の表情を、模倣(もほう)する能力をもっていることもわかってきました。眠っているときには、ほほえみ、困惑、恐怖など、じつにさまざまな感情を表現します。
このように、赤ちゃんは幅広い情動的、感情的な反応ができる心をすでにもっており、相互作用的な行動ができると考えられています。したがって、赤ちゃんは生まれてすぐから、お母さんやお父さんと積極的に作用しあいながら、1日1日と成長していくのです。
生まれて数週間後には、すでにものに対してよりも、自分を養育してくれる人、とくに自分の出す信号を読み取ろうとする母親に対して、とりわけよく応答するようになります。
こうして赤ちゃんは、養育者とすべての感覚様相を介して相互に作用しあう結果、親子の絆(きずな)が強くなり、脳の発育が促進され、コミュニケーションの方法が増え、親子の間に人間関係が育っていきます。
◎赤ちゃんの気になる症状と対策
●熱がある
赤ちゃんはよく熱をだしますが、その重要な点をつぎにあげます。
①病気でなくても、赤ちゃんは熱を出すことがある(体温の調節機能がまだうまくはたらかないため)。
②熱の高さが、病気の重さの指標ではない。
③赤ちゃんは新陳代謝(しんちんたいしゃ)がさかんなため、平熱はおとなより高い(38℃くらいの発熱があっても、意外に元気で心配のないこともある)。
④熱以外の症状に注目することが重要。
ただし、意識がもうろうとしている、顔色が悪い、嘔吐(おうと)をくり返す、呼吸が苦しそうでミルクが飲めない、けいれん(ひきつけ)をおこす、生後2か月未満、38℃以上の熱が1週間以上も続く、だっこやおんぶをしても泣きやまないなどの場合には、医師の診断が必要です。単に熱だけで、あやすとにこにこ笑い、きげんがよく、顔色もよく、お乳もよく飲む場合は、ようすをみてよいでしょう。
応急処置としては、まず安静が第一で、いやがらなければ水まくらをします。汗をかいたらまめに下着を交換し、水分を補給します。解熱薬はむやみに使用しないようにしましょう(本来の症状がかくされ、診断の妨げになることがあります)。ただ、ひきつけの心配がある場合は、とりあえず解熱薬を使ってもかまいません。
●嘔吐する
赤ちゃんの胃袋は吐(は)きやすくできています。ミルクを飲んですぐ口の端からダラダラ流したり(溢乳(いつにゅう))、またミルクと一緒に空気を飲み込むために、げっぷと一緒に吐きだしたりします。
生後3か月ごろまで、習慣的にこのような吐乳(とにゅう)をくり返すことがありますが、きげんもよく元気で、体重も順調に増えていて、ほかに気になる症状がなければ、これは一時的な生理的嘔吐ですから、心配ありません。
ミルクを飲ませた後は、すぐ寝かせずにげっぷをさせてください。このときの嘔吐も、3か月をすぎるころには、自然におさまっていきます。
嘔吐の原因は、必ずしも胃腸の病気とはかぎりません。嘔吐がおこるのは、脳の嘔吐中枢が刺激されるからで、頭の中の病気やけが(脳炎(のうえん)、髄膜炎(ずいまくえん)、頭部外傷、頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ)など)でも、嘔吐中枢が刺激され、嘔吐することがあります。かぜや種々の感染症、心臓の病気などでも嘔吐はみられます。
こんな嘔吐は要注意 赤ちゃんが嘔吐する病気のなかでもっとも緊急を要するのが腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)(「腸重積症」)です。たびたび嘔吐し、ミルクを与えてもすぐに吐いてしまいます。顔色が悪く、間をおいて激しく泣き叫ぶときは、腸重積の疑いがあるので、早急に病院につれていきましょう。
生後2~3週間たったころから、ミルクを飲んだすぐ後に、口や鼻から噴水のように勢いよく吐き、それをくり返すような場合は、乳児肥厚性幽門狭窄症(にゅうじひこうせいゆうもんきょうさくしょう)(「先天性肥厚性幽門狭窄症」)が疑われます。
嘔吐が長期間続くと、栄養障害をきたし、体重も増えなくなります。早めに医師の診察を受けましょう。
嘔吐と発熱があり、くびを横に振ってイヤイヤをするときは、髄膜炎(「髄膜炎とは」)や中耳炎(ちゅうじえん)(「子どもの急性中耳炎」)が疑われます。嘔吐に下痢がともなう場合は、乳児嘔吐下痢症(にゅうじおうとげりしょう)(「乳児嘔吐下痢症(白色便性下痢症/仮性小児コレラ/白痢)」)が考えられ、脱水症をおこす可能性があります。症状が著しい場合は至急医師にみてもらいましょう。
●黄疸(おうだん)
ほとんどの(約90%の)新生児で、赤血球(せっけっきゅう)の破壊によりビリルビン産生量が増えることと、肝機能が未熟なため、ビリルビンの処理能力が低いことにより黄疸(皮膚や白目の部分が黄色くなる)がおこります。生後4~5日目ごろにピークに達し、多くは生後1週間をすぎると自然に消失します。これは生理的黄疸といい、心配いりません。
しかし、黄疸が生後24時間以内に出現したり、1日で急激にひどくなる、黄疸の症状がひどい、生後2週間以上長引く(遷延性(せんえんせい)黄疸)などの場合は、病的黄疸といいます。
原因としては、胎児・新生児溶血性(ようけつせい)疾患(「新生児溶血性黄疸」)、先天性胆道閉鎖症(せんてんせいたんどうへいさしょう)(「(先天性)胆道閉鎖症」)、急性肝炎(きゅうせいかんえん)(「子どものウイルス肝炎」)などが疑われます。
黄疸がひどい状態が続くと、核黄疸(かくおうだん)(「核黄疸」)となる可能性があり、原因疾患の治療だけでなく、光線療法や、交換輸血が必要となる場合があります。
●便の状態が気になる
下痢(げり)、便がやわらかい 赤ちゃんの便はやわらかく、回数も多いものです。多少下痢ぎみであっても、きげんがよく、ミルクをよく飲むようなら心配はいりません。ただし、下痢をした場合は脱水をおこしやすいので、湯冷ましやお茶、ベビー用のイオン飲料などを十分飲ませましょう。
発熱や嘔吐をともなうときは、かぜなどのウイルスが原因のことが多く、ただちに医師の診察を受けましょう。
便秘(べんぴ) 便秘とは、便の回数とは関係なく、便の水分が少ないことをいいます。2~3日便がでなくても、ふつうのかたさの便がいきまずに出て、赤ちゃん自身もきげんがよいようなら、心配はいりません。2~3日おきに便が出て、かたくてコロコロしている場合は、習慣性の便秘が考えられます。4~5日も出ないときは、紙こよりや綿棒にベビーオイルをつけて、肛門から1~2cmさしこみ、つついて刺激(こより浣腸)してみてください。
4~5日も便が出ず、ミルクを吐いて食欲がなく、おなかがふくらんでくるときは、先天性巨大結腸症(せんてんせいきょだいけっちょうしょう)(ヒルシュスプルング病(「ヒルシュスプルング病(先天性巨大結腸症/腸管無神経節症)」))が疑われます。
血便(けつべん) 赤ちゃんには、ときどき血便がみられますが、多くは排便時に肛門(こうもん)が切れたための出血で、心配はいりません。便に粘液と血液がまじっている場合でも、きげんがよくミルクもよく飲むときは、アレルギー性の血便が考えられます。緊急性はありませんが、一度医師の診察を受けましょう。
しかし、生後2~5日ごろに、コールタールのような色をしたタール便が出た場合は、新生児(しんせいじ)メレナ(ビタミンK欠乏症(「ビタミンK欠乏症」))が疑われます(母体血の嚥下(えんげ)による仮性メレナであれば心配ない)。血便に嘔吐をともない、泣いてきげんも悪い場合は、腸重積症(「腸重積症」)が疑われますので、すぐに病院につれていきましょう。
便の色が白い 灰白色の便に、黄疸をともなうときは、先天性胆道閉鎖症(「(先天性)胆道閉鎖症」)が疑われます。