化ける(読み)バケル

デジタル大辞泉 「化ける」の意味・読み・例文・類語

ば・ける【化ける】

[動カ下一][文]ば・く[カ下二]
本来の姿・形を変えて別のものになる。「狐が人間に―・ける」「―・けて出る」
素性を隠して別人のように見せる。「従業員に―・けてもぐり込む」
全く異なったものに変わる。「本代が酒に―・ける」
あるものが思いがけない変化を遂げる。俳優相撲取りが突然うまくなったり、価格などが大きく変動したりする。「襲名して―・けたようだ」「株価が―・ける」
[類語]変わる化する変ずる動く移る変える移ろう転ずる改まる変化する転化する変質する一変する一転する様変わりする豹変ひょうへんする急変する激変する変転する変動する変移する移行する推移する変遷する転変する流転する

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精選版 日本国語大辞典 「化ける」の意味・読み・例文・類語

ば・ける【化】

  1. 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ば・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙
  2. 形をかえる。異形のものに姿をかえる。狐、狸、年老いた動物、また、妖怪などが種々に姿をかえる。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「狐おほくつねにばけけり」(出典:古今著聞集(1254)一七)
  3. その道で年功を積む。
    1. [初出の実例]「此里の化(バケ)たる人に、そそのかされて行に」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)四)
  4. 人を欺こうとして、本来の素性を隠して、別人の恰好や、素振りをする。別人のさまをよそおう。
    1. [初出の実例]「知ってゐますと仔細らしく容子有り気に答へた。化(バケ)(おほ)せて見たくなって」(出典:めぐりあひ(1888‐89)〈二葉亭四迷訳〉二)
  5. 全く違ったものに変る。他のものにすりかわる。また、急に変化する。
    1. [初出の実例]「二等道路とかいふ大きな道が出来たり何にかするが、夫れは土地の化(バ)けまするので」(出典:落語・狸(1895)〈四代目橘家円喬〉)

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