赤石山脈(あかいしさんみゃく)(南アルプス)北部の山。北岳、間ノ岳(あいのたけ)とともに白根三山(しらねさんざん)を構成する。3山の最南に位置し、標高3051メートル。南アルプス国立公園に含まれる。春になると甲府盆地から見えるこの山に、首を伸ばした白鳥の形に雪が残る。これが苗代(なわしろ)への播種(はしゅ)期に相当するということからこの山名がある。登山は3山の縦走がおもで、山梨県南アルプス市芦安芦倉(あしやすあしくら)の広河原(ひろがわら)から北岳経由でこの峰に至り、大門沢から奈良田(ならだ)(早川町)に下山するのが一般的である。
[吉村 稔]
『朝日新聞社編・刊『週刊続日本百名山no.5 朝日ビジュアルシリーズ鋸岳・農鳥岳・櫛形山』(2002)』
赤石山脈北東部,山梨県南巨摩郡早川町と静岡市の境にある山。白根三山の最も南にあり,北西にある西農鳥岳(標高3051m)と南東にある農鳥岳(東農鳥岳または本農鳥岳,標高3025m)とからなる。東農鳥岳の東側斜面を刻む農鳥沢の源流部には,6月初旬から中旬ころに,首の長い水鳥状の残雪が残る。甲府盆地の農民は,これを見て田植の時期をきめたことから農鳥の山名がつけられた。間(あい)ノ岳から農鳥岳方向へ進むにつれて,白根層群(白亜系)をおおう赤石層群(白亜系)の砂岩層が広く分布している。この砂岩層からなる東農鳥岳南西斜面を下刻している滝ノ沢には,みごとな滝がある。西農鳥岳から東農鳥岳にかけての稜線部はやせた岩尾根であるが,間ノ岳から西農鳥岳の北東にある農鳥小屋にかけての稜線部は,幅が広く地層走向に沿って雪食作用による二重山稜(稜線が平行に並ぶ)の起伏が見られる。また緩斜面部には,条線土や多角形土などの構造土が発達している。農鳥岳付近の高木帯(ハイマツ,ダケカンバなど)と低木帯(針葉樹林)の森林限界は,標高2600m付近にある。
執筆者:有井 琢磨
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