赤石山脈北東部,山梨県南アルプス市,南巨摩郡早川町と静岡市の境にある山。標高3189m。日本第4位の高峰。山名は,白根三山の中間にあることによる。間ノ岳は,東西方向に複背斜構造をあらわす白根層群(白亜系)とこれをおおう赤石層群(白亜系)の砂岩層からなる。頂上部付近は,前輪回の低起伏面の特色をとどめており,頂上の南南東方向の尾根には,雪食作用による二重山稜(稜線が平行に並ぶ)が発達している。間ノ岳の東方の細沢,北東の滝ノ沢,北西の右俣沢,南西の三国沢などの上流部には,更新世の氷期の最大拡張期に形成された小規模の谷氷河(延長1.5~2.5km,細沢では標高1900m付近まで流下)と,最終後退期に形成されたカール地形が発達している。間ノ岳山頂南西から三国沢と農鳥沢出合付近に至る斜面(標高2600~3050m)には,カールが崖錐でおおわれた凹型斜面が発達している。
執筆者:有井 琢磨
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赤石山脈(あかいしさんみゃく)(南アルプス)北部の山。山梨、長野、静岡の3県境に位置する。標高3190メートルで、日本第3位の高峰。北岳と農鳥岳(のうとりだけ)の間に位置し、この3山を白根三山または単に白根山ともよぶ。雄大な山容をもち、小規模ながら二つのカール(圏谷(けんこく))をもつことで知られる。また、夜叉神(やしゃじん)峠からの展望は雄大である。登山には、野呂(のろ)川上流の広河原(ひろがわら)から北岳経由のもの、奈良田(ならだ)から農鳥岳経由のものが一般的である。
[吉村 稔]
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