(読み)こみ

精選版 日本国語大辞典 「込」の意味・読み・例文・類語

こみ【込】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「こむ(込)」の連用形の名詞化 )
    1. 庭園などに、樹木が群がり生えていること。また、その樹木。植え込み。
      1. [初出の実例]「山しなつねの御所の御庭のこみはさませらるる」(出典:御湯殿上日記‐永祿七年(1564)五月一四日)
      2. 「御室の御所作り、並びの岡を木密(コミ)として、池の見越比叡山」(出典:応仁広記(1711)五)
    2. 形の大小・品質の良否、あるいは、本体とその付属するものなど、種々のものがとりまぜてあること。また、そのもの。
      1. [初出の実例]「Komi(コミ) ニ カウ。Komi(コミ)イクラ」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
      2. 「まだお前とこみで売買されるほど下っちゃアゐねえや」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉枯竹)
    3. 生け花で、花器にさす花や木などを支えとめるのに用いる小さな木。流派によっていろいろな用い方がある。〔日葡辞書(1603‐04)〕
      1. [初出の実例]「込(コミ)とやら言棒を天下はれてつかふて水ぎわのせんさくもなく」(出典:談義本・当世穴穿(1769‐71)三)
    4. 囲碁で、手合割りから見て、有利な手番に当たった者が負うハンディキャップ互先(たがいせん)の場合の先番のコミは、普通五目半から六目半であり、それ以上を盤面で勝たなければ負けとなる。
      1. [初出の実例]「滅法強いのだと思って居たら廿五目で二百目のコミには驚きましたナ」(出典:明治浮世風呂(1887)〈浮世粋史〉三)
    5. こみ(小身)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 名詞について、それも一緒に含んで、一緒くたで、の意を表わす。「税込み」

込の補助注記

[ 一 ]語源は江戸時代の込高(こみだか)(=地行の変更に伴って、実収の少ないものに補給する)、込米(こみまい)(=納租の時、不足を補うため、余分に詰める俵米)の「込」の意を受けたものであろう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「込」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

(旧字)
6画

[字訓] こむ

[字形] 国字
つめこむ。場所いっぱいになる。用事一度に重なりあう。手数費用を多く必要とする、などの意に用いる。

[訓義]
1. こむ、混雑する、多い。

[古辞書の訓]
名義抄 コモル・セム

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