(読み)ヘン

デジタル大辞泉 「返」の意味・読み・例文・類語

へん【返】[漢字項目]

[音]ヘン(慣) [訓]かえす かえる
学習漢字]3年
もとの方に戻る。かえる。「返路往返
もとに戻す。かえす。「返還返却返金返済返事返信返品返礼/不返」
はねかえる。反射する。「返景返照
[名のり]のぶ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「返」の意味・読み・例文・類語

へん【返・遍】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 動作作用が一わたりすること。かえり。たび。度。回。
      1. [初出の実例]「梓弓一張〈略〉塗漆三遍、毎遍乾二日」(出典延喜式(927)四九)
    2. ( 返 ) 「へんじ(返事)」「へんしん(返信)」の略。
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ( 上に来る語によっては「ぺん」「べん」となる ) 動作、作用の回数を数えるのに用いる。かえり。度。回。
    1. [初出の実例]「梓弓一張〈略〉塗漆三遍」(出典:延喜式(927)四九)
    2. 「これをとって二三返(べん)をし返しをし返しよみきかせ」(出典:平家物語(13C前)二)
    3. [その他の文献]〔魏志注‐賈逵伝〕

かえさいかへさひ【返】

  1. 〘 副詞 〙 ( 四段動詞「かえさう(返)」の連用形から ) 繰り返し繰り返し。
    1. [初出の実例]「あぶなくもありめでたくも有 中直りかへさひよろめく酒の酔」(出典:俳諧・新増犬筑波集(1643)油糟)

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普及版 字通 「返」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(旧字)
8画

[字音] ヘン
[字訓] かえる・かえす

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は反(はん)。反に返反の意がある。〔説文〕二下に「るなり」とあり、反の亦声とする。金文の〔頌鼎〕に「瑾(きんしやう)(玉の名)を反入(へんなふ)す」とあり、反入は返納の意で、その初文。〔書、西伯戡黎(かんれい)〕に「伊反(かへ)る」と還帰の意とする。のち反が多く背反の意に用いられ、還帰の意の字としてはが用いられる。

[訓義]
1. かえる、もとへかえる、もとる。
2. かえす、もどす。
3. あらためる。

[古辞書の訓]
名義抄〕反 カヘル・カヘス・サル・オソル・ウラム・アト・カヨフ・タビ・カヘサフ 〔立〕反 カヘル・ソリ・サル・カヨフ・オソル・ウラム・アト・タビ・カヘサフ

[語系]
・反piuanは同声。また、飜()phiuan、phianも同系の語で、反復翻(へんぽん)の意がある。

[熟語]
返影返轅返駕・返・返還返簡・返己・返景返顧・返国・返魂返書・返照・返身・返真・返葬返牒・返潮・返答返覆返哺・返歩返本・返命・返路
[下接語]
往返・還返・出返・旋返・復返・聘返・忘返・望返

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