遡求権(読み)そきゅうけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

手形小切手の支払いがなされないか,または支払人 (約束手形振出人為替手形引受人または引受けをしない支払人) の破産,その支払停止などにより支払いの可能性が著しく減少した場合に,その所持人が裏書人,振出人 (約束手形の振出人は遡求義務ではないからこれに含まない) ,これらの保証人など,自己の前者に対して本来の支払いに代るべき代償として一定の金額 (手形金額その他の費用,すなわち遡求金額) を請求する権利。償還請求権ともいう。遡求の実質的要件は,支払呈示期間内に手形所持人が,約束手形の場合は振出人,為替手形の場合は引受人 (またはこれらの者の支払担当者。小切手の場合は支払人たる銀行) に対し適法な支払呈示をしたにもかかわらず手形金額の全部または一部の支払いが拒絶されたことであり,形式的要件は,支払呈示期間内に支払拒絶証書を作成することである。

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百科事典マイペディアの解説

償還請求権とも。手形・小切手の所持人が支払または引受けを拒絶された場合,自己の前者(振出人・裏書人等)に対し,支払に代わる一定金額(遡求金額)を請求できる権利。遡求権の行使には,その原因となる事実(支払・引受けの拒絶)を原則として拒絶証書により証明する必要がある。
→関連項目支払拒絶証書不渡手形

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世界大百科事典 第2版の解説

手形・小切手になんらかの当事者として関与(署名)した者は,原則として,手形金,小切手金の支払につき責任を負わなければならない。手形・小切手の署名者の責任は2種類に分けられる。為替手形の引受人,約束手形の振出人として署名した者は,手形の本来の(第一次的,無条件的,最終的)支払義務者である。これ以外の手形の当事者,すなわち,手形の裏書人,為替手形の振出人およびこれらの者の保証人として署名した者は,満期に支払が拒絶されまたは支払われる見込みがなくなったときにのみ責任を負う(第二次的支払義務者)。

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