(読み)トリ

デジタル大辞泉 「酉」の意味・読み・例文・類語

とり【×酉】

十二支一つで、その10番目。
方角の名。西。
時刻の名。今の午後6時ごろ、およびその後の2時間、または午後6時前後の2時間。
1にあたる年や日。
陰暦8月の異称
酉の市。「一の

ゆう【酉】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ユウ(イウ)(漢) [訓]とり
十二支の10番目。とり。「辛酉・丁酉」
[名のり]なが・みのる

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精選版 日本国語大辞典 「酉」の意味・読み・例文・類語

とり【酉】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 十二支の一つで、その第一〇番目。ゆう。
    1. [初出の実例]「むま ひつじ さる とり いぬ ゐ むまれよりひつじつくれば山にさるひとりいぬるに人ゐていませ〈よみ人しらず〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)物名・四三〇)
  3. 年月日・方角・時刻に配して、その呼び名とするもの。
    1. (イ) にあたる年や日。
      1. [初出の実例]「酉に豆まけば来るのは戌の春」(出典:雑俳・柳多留‐九二(1827))
    2. (ロ) 方角の西。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    3. (ハ) 現在の午後六時頃。また、その前後二時間。一説にその後二時間。酉の刻。酉の時。〔文明本節用集(室町中)〕
    4. (ニ) 八月の異称。
  4. とりのまち(酉町)」の略。
    1. [初出の実例]「霜月のとりはちょぼいち、正月の酉はさございの宝引さ」(出典:洒落本・福神粋語録(1786)部屋持の部屋)
  5. 数の一〇をいう、古本屋仲間の符丁

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「酉」の意味・わかりやすい解説


とり

十二支の第10番目。「ゆう」ともいい、十二支獣としてニワトリがあてられる。8月の異称として用いられるほか江戸時代以来、江戸(東京)では11月の酉の日に、酉の市(いち)の名で知られる鷲(おおとり)神社祭礼が行われ、幸運や富を掻(か)き寄せるという熊手(くまで)が売られてにぎわう。時刻としても用いられ、今日の午後6時を中心とした前後2時間を「酉の刻」「酉の時」といった。方角としては西をいう。

[宇田敏彦]

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占い用語集 「酉」の解説

十二支の一つ。陰の金で、季節は秋、月は9月、時間は17~19時、方位は西を表す。

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