酒列磯前神社(読み)サカツライソサキジンジャ

デジタル大辞泉 「酒列磯前神社」の意味・読み・例文・類語

さかつらいそさき‐じんじゃ【酒列磯前神社】

茨城県ひたちなか市にある神社祭神少彦名命すくなひこなのみことで、大己貴命おおなむちのみこと配祀。酒列明神。

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日本歴史地名大系 「酒列磯前神社」の解説

酒列磯前神社
さかつらいそざきじんじや

[現在地名]那珂湊市磯崎

太平洋に面する岬端の台地上にある。もとはこれよりやや西方にあったが、元禄一五年(一七〇二)今の地に遷宮された。祭神は少彦名命大己貴命。旧国幣中社。

文徳実録」の天安元年(八五七)八月条に「在常陸国大洗磯前、酒列磯前神等預官社」とあり、創建はさらにさかのぼる。同年一〇月条には「在常陸国大洗磯前、酒列磯前両神、号薬師菩薩名神」とあり、「延喜式」臨時祭に「名神祭二百八十五座」のうち「酒烈礒前薬師菩薩神社一座」とあり、また同書神名帳に「那賀郡七座大二座小五座」のうち「酒烈礒前薬師菩薩神社名神大」とある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「酒列磯前神社」の意味・わかりやすい解説

酒列磯前神社
さかつらいそさきじんじゃ

茨城県ひたちなか市磯崎町に鎮座。少彦名命(すくなひこなのみこと)を主祭神とし、大己貴命(おおなむちのみこと)を配祀(はいし)する。大洗(おおあらい)磯前神社と密接な関係を有し、文徳(もんとく)天皇の治世、天安(てんあん)元年(857)8月、初めて官社にあずかる。同年10月には、大洗磯前神社とともに薬師菩薩名神(やくしぼさつみょうじん)の号を授けられ、『延喜式(えんぎしき)神名帳』に登載され、明治の制では国幣中社に列す。酒列明神とも称す。例祭は8月25日。太々神楽(だいだいかぐら)祭は4月第2日曜日、地元より選出された5人の巫女(みこ)により巫女舞が奉納される。社宝に「元禄(げんろく)遷座奉安之記」(木板1枚)がある。

[茂木貞純]

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百科事典マイペディア 「酒列磯前神社」の意味・わかりやすい解説

酒列磯前神社【さかつらいそざきじんじゃ】

茨城県ひたちなか市磯崎町に鎮座。旧国幣中社。通称〈うばかみさま〉。少彦名(すくなびこな)命をまつる。856年の鎮座という。祭神はこの地方を開拓した祖神とされる。延喜式内の名神大社とされる。例祭は10月15日ほかに大大神楽祭(5月5日),競馬祭(3月7日)がある。
→関連項目大洗磯前神社

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「酒列磯前神社」の意味・わかりやすい解説

酒列磯前神社
さかつらいそざきじんじゃ

茨城県ひたちなか市に鎮座する元国幣中社。スクナヒコナノミコトを主神とし,オオナムチノミコトを配祀する。国土開発および酒造神。例祭8月 25日。

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世界大百科事典(旧版)内の酒列磯前神社の言及

【大洗磯前神社】より

…大己貴(おおなむち)命を主神とし,少彦名命を配祀する。《文徳実録》斉衡3年(856)の条に,常陸国の上言として,塩焼きの郡民が夜半海上が光りかがやくのを見,翌日海辺に二つの怪石を発見,さらに翌日その石に侍座するような20個ばかりの小石を見たが,時に託宣があり,それは昔この国を造り東海に行っていたが,いま民を救うため帰来した大己貴命,少彦名命とわかり,それぞれ本社と酒列(さかつら)磯前神社(現,ひたちなか市)にまつったとあり,また翌年の条に,両社を官社とし,薬師菩薩明神と名付けたとある。現社殿は徳川光圀の造営。…

※「酒列磯前神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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