出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
茨城県ひたちなか市磯崎町に鎮座。少彦名命(すくなひこなのみこと)を主祭神とし、大己貴命(おおなむちのみこと)を配祀(はいし)する。大洗(おおあらい)磯前神社と密接な関係を有し、文徳(もんとく)天皇の治世、天安(てんあん)元年(857)8月、初めて官社にあずかる。同年10月には、大洗磯前神社とともに薬師菩薩名神(やくしぼさつみょうじん)の号を授けられ、『延喜式(えんぎしき)神名帳』に登載され、明治の制では国幣中社に列す。酒列明神とも称す。例祭は8月25日。太々神楽(だいだいかぐら)祭は4月第2日曜日、地元より選出された5人の巫女(みこ)により巫女舞が奉納される。社宝に「元禄(げんろく)遷座奉安之記」(木板1枚)がある。
[茂木貞純]
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…大己貴(おおなむち)命を主神とし,少彦名命を配祀する。《文徳実録》斉衡3年(856)の条に,常陸国の上言として,塩焼きの郡民が夜半海上が光りかがやくのを見,翌日海辺に二つの怪石を発見,さらに翌日その石に侍座するような20個ばかりの小石を見たが,時に託宣があり,それは昔この国を造り東海に行っていたが,いま民を救うため帰来した大己貴命,少彦名命とわかり,それぞれ本社と酒列(さかつら)磯前神社(現,ひたちなか市)にまつったとあり,また翌年の条に,両社を官社とし,薬師菩薩明神と名付けたとある。現社殿は徳川光圀の造営。…
※「酒列磯前神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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