酸化ベリリウム(読み)さんかべりりうむ(英語表記)beryllium oxide

日本大百科全書(ニッポニカ)「酸化ベリリウム」の解説

酸化ベリリウム
さんかべりりうむ
beryllium oxide

ベリリウムと酸素の化合物。ベリリウムの金属または化合物を空気中で燃焼すると得られるが、工業的には緑柱石(3BeO・Al2O3・6SiO2)より製造される。すなわち、原料を電気炉中で1500℃以上で融解し、水で急冷するとガラス状となる。この物質から硫酸を用いてベリリウム成分を抽出し、硫酸ベリリウムとして晶出させる。これをアルカリで処理して水酸化物としてから1100℃で熱分解する。白色の結晶性粉末。化学的に安定であるうえ、その焼結体は著しい熱伝導率を示し、絶縁抵抗、熱衝撃抵抗が大きいので、各種電子材料として、またロケットのノズルやるつぼなどの耐熱材料として用いられる。また、熱中性子に対する吸収断面積が小さく、散乱断面積が大きいため、原子炉用の減速材や反射材としての用途もある。

[鳥居泰男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版「酸化ベリリウム」の解説

酸化ベリリウム
サンカベリリウム
beryllium oxide

BeO(25.01).ベリリウムの炭酸塩または硝酸塩を強熱すると得られる.白色の粉末.融点2570 ℃,沸点3900 ℃.密度3.02 g cm-3(0 ℃).複屈折を示す.水にきわめて難溶.フッ化水素酸に溶け,濃硫酸,濃塩酸にも加熱すると溶ける.高温でも化学的に安定である.ベリリウム塩の製造,原子炉の減速材や反射材,ロケットの先頭部や燃焼室,セラミックスサーメット,耐火物,るつぼ,絶縁体原料,光学ガラスなどに用いられる.粉末は有毒.[CAS 1304-56-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

デジタル大辞泉「酸化ベリリウム」の解説

さんか‐ベリリウム〔サンクワ‐〕【酸化ベリリウム】

ベリリウム酸化物。無色の六方晶系。天然にブロメライトとして産出。耐熱性・電気絶縁性にすぐれる。ロケットエンジンの燃焼室、原子炉の制御棒中性子の反射材などに用いられる。毒性が強い。ベリリア。化学式BeO

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「酸化ベリリウム」の解説

酸化ベリリウム
さんかベリリウム
beryllium oxide

化学式 BeO。六方晶系の無色粉末。融点 2570℃,沸点 3900℃。原子炉の減速材やロケットの先頭部被覆材料であり,リン光体としても用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

国立国会図書館

国立国会図書館法に基づいて設置された図書館。1948年の設立当初は赤坂離宮を使用したが,1961年東京都千代田区永田町に新築移転した。国立図書館であり同時に国会図書館でもあるため国会の立法行為に関する...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android