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酸化銀電池 サンカギンデンチ

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デジタル大辞泉の解説

さんかぎん‐でんち〔サンクワギン‐〕【酸化銀電池】

正極に酸化銀(Ⅱ)か(Ⅰ)、陰極亜鉛電解液水酸化ナトリウム水酸化カリウム水溶液を用いた電池。現在実用のボタン一次電池は正極に酸化銀(Ⅱ)と(Ⅰ)を共存させ、電解質水酸化ナトリウムを用いたもので、電圧約1.5ボルト腕時計カメラなどに使用。

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世界大百科事典 第2版の解説

さんかぎんでんち【酸化銀電池 silver oxide cell】

陽極に酸化銀(I)Ag2O,酸化銀(II)AgOと黒鉛粉末を混合成形したもの,陰極にアマルガム化した亜鉛粉末を成形したものを用い,電解液に酸化亜鉛ZnOを飽和した濃度30~40%の水酸化カリウムKOHを用いた電池。Ag2Oを用いた電池の起電力は1.58Vで,放電電圧は平たん,単位重量当りの容量が大きいなどの特徴があるが,一方,高価であるという欠点もある。おもに電子化商品の軽量電源として用いられる。【笛木 和雄】

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大辞林 第三版の解説

さんかぎんでんち【酸化銀電池】

正極に酸化銀(Ag2O)、負極に亜鉛、電解液に濃いアルカリ水溶液を用いた電池。電圧1.5ボルト。ボタン型・コイン型の小型電池として電子機器に用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

酸化銀電池
さんかぎんでんち
silver oxide batteryzinc-silver oxide battery

正極活物質には1価の酸化銀Ag2O粉末に導電剤を加えたもの、負極活物質には亜鉛粉末にゲル化剤を混合したものを用い、電解液には酸化亜鉛ZnOを添加した20~45%の高濃度の水酸化カリウムKOHあるいは水酸化ナトリウムNaOH水溶液を用いたボタン形アルカリ一次電池。1960年代にアメリカで開発された。電解液にKOHを用いると高率放電特性や低温放電特性がよい。NaOHを用いるとそれらの特性はすこし劣るが耐漏液性を向上することができる。起電反応は
 (正極)
  Ag2O+H2O+2e-―→2Ag+2OH-
 (負極)
  Zn+2OH-―→Zn(OH)2+2e-
 (全体)
  Ag2O+Zn+H2O―→2Ag+Zn(OH)2
であって、起電力は1.594ボルト、電池電圧は1.55ボルトである。放電により導電性の金属銀が析出するので分極は少なく、活物質の利用率はよい。またエネルギー密度が85~95Wh/kgと高く、使用温度範囲がマイナス30℃~60℃と広い。放電電圧は大電流放電の場合を除き、きわめて平坦(へいたん)である。
 2価の酸化銀AgOを正極活物質に用いると、酸化数が2であるので単位重量当りの放電容量を増すことができる。しかし正極では
  2AgO+H2O+2e-―→Ag2O+2OH-
の反応が進行し、電池全体として
  2AgO+Zn+H2O―→Ag2O+Zn(OH)2
の反応が進む。このため、この起電力の1.856ボルトに相当する電池電圧である約1.8ボルトの放電電圧に続き、AgOの放電により生成したAg2Oによる1.55ボルトの放電電圧が得られることになる。しかしこの2段階の放電特性は実用上好ましくなく、またAgOはアルカリ性電解液中で不安定であるので、保存寿命に課題が生じる。そのためAgO粒子の表面をAg2Oで被覆すると、表面のAg2Oの放電により生成したAgが内部のAgOと反応してAg2Oが生成することになり、その分だけ放電容量を高めることができる。さらに放電電圧はAg2Oのみによるため2段階でなく1.55ボルトの1段階となり、高エネルギー密度化を実現できる。なお、負極活物質の亜鉛はほかの金属と合金化したり、また有機防食剤を添加して水素過電圧を高め、自己放電がおきにくくされている。
 ボタン形酸化銀電池は電子式腕時計やカメラ、電卓、電子玩具、電子体温計などに用いられているが、銀が高価であるためそのシェアはアルカリボタン電池やボタン形リチウム電池などにしだいに奪われてきている。
 酸化銀亜鉛電池は蓄電池として利用することもできる。しかし高価で充放電サイクル寿命が短いため、その高出力、高エネルギー密度の特徴を生かすことができる宇宙開発、海洋開発、軍事用などの特殊な用途の電源に限られ、生産量は少ない。[浅野 満]
『小久見善八編著『電気化学』(2000・オーム社) ▽電気化学会編『電気化学便覧』(2000・丸善) ▽電池便覧編集委員会編『電池便覧』(2001・丸善)』

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