日本大百科全書(ニッポニカ) 「鈴木貞一」の意味・わかりやすい解説
鈴木貞一
すずきていいち
(1888―1989)
陸軍軍人。千葉県生まれ。陸軍士官学校卒業。1917年(大正6)陸軍大学卒業。参謀本部員などを歴任。この間少壮将校を集め木曜会を組織したり、森恪(かく)や後の「革新官僚」との結び付きを強めたりする。1933年(昭和8)陸軍省新聞班班長となる。その後、内閣調査局、興亜院で活動。1941年予備役(中将)。第二次・第三次近衛文麿(このえふみまろ)、東条英機内閣の企画院総裁、1943年内閣経済顧問、1944年産業報国会会長など、戦時経済統制に手腕を振るった。戦後、A級戦犯に指名され、極東国際軍事裁判で終身刑となる。1956年(昭和31)釈放。
[小田部雄次]
『木戸日記研究会・日本近代史料研究会編・刊『鈴木貞一氏談話速記録』上下(1971、1974)』