鉱床を生成する地質現象をいう。鉱床の成因はさまざまであるので,鉱化作用は種々の現象を含んだ複雑な作用である。例えば,鉱脈の生成では鉱化流体の流動と有用な鉱物の沈殿が鉱化作用とよばれる現象であり,ある種の蒸発鉱床の生成では閉じた海の形成と海水の完全な蒸発が1回の鉱化作用にあたる。鉱脈の生成では,鉱化作用が長時間にわたって一定の性質で連続することもあるが,断続的に行われれば,鉱脈内に重複した鉱化作用による縞状構造を残すこともある。蒸発鉱床の場合も,海水の流入,とじこめ,蒸発という何回かの鉱化作用の繰返しによって規模の大きな鉱床となるのが普通である。このように鉱化作用は複雑な地質現象であると同時に,何回にもわたって繰り返し行われることが多い。
このため一般に鉱床の内部構造は複雑なものとなるが,逆にこの複雑な構造を解析することにより,鉱化作用の性質や繰返しの様子,空間的な広がりなどが把握される。
鉱化作用の及んだ範囲は,しばしば鉱化帯とよばれる。鉱化作用の性質や強弱は場所とともに規則的に変化することがあるために,一つの鉱化帯の内部で鉱床の性質が規則的に(例えば地表で観察すると同心円状に)変化することがある。このような規則性は鉱床の累帯分布zonal distributionとよばれ,鉱床の探査に重要な手がかりを与えることがある。
執筆者:島崎 英彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
岩石中に有用元素の濃集した部分が形成される現象。鉱化作用が大規模におこれば鉱床が形成される。鉱化作用の機構にはいろいろなものが存在するが、有用元素を含む鉱液が岩石中を移動してきて、岩石中に有用金属を含む鉱物を沈殿させることによっておこる。鉱液の種類によって、鉱化作用がおこりうる条件は異なるが、鉱液の温度の低下、酸化還元条件の変化、酸塩基度(pH)の変化などの物理・化学的条件の変化によって誘起される場合と、鉱液が、鉱液中の有用金属と化合して、有用金属を沈殿させるような物質に遭遇して誘起される場合とがある。
[飯山敏道]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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