鉱化作用(読み)コウカサヨウ(その他表記)mineralization

デジタル大辞泉 「鉱化作用」の意味・読み・例文・類語

こうか‐さよう〔クワウクワ‐〕【鉱化作用】

マグマ中の高温気体液体岩石とが反応して、各種の鉱物形成し、鉱床などを形成する作用

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改訂新版 世界大百科事典 「鉱化作用」の意味・わかりやすい解説

鉱化作用 (こうかさよう)
mineralization

鉱床を生成する地質現象をいう。鉱床の成因はさまざまであるので,鉱化作用は種々の現象を含んだ複雑な作用である。例えば,鉱脈の生成では鉱化流体流動と有用な鉱物の沈殿が鉱化作用とよばれる現象であり,ある種の蒸発鉱床の生成では閉じた海の形成と海水の完全な蒸発が1回の鉱化作用にあたる。鉱脈の生成では,鉱化作用が長時間にわたって一定の性質で連続することもあるが,断続的に行われれば,鉱脈内に重複した鉱化作用による縞状構造を残すこともある。蒸発鉱床の場合も,海水の流入,とじこめ,蒸発という何回かの鉱化作用の繰返しによって規模の大きな鉱床となるのが普通である。このように鉱化作用は複雑な地質現象であると同時に,何回にもわたって繰り返し行われることが多い。

 このため一般に鉱床の内部構造は複雑なものとなるが,逆にこの複雑な構造を解析することにより,鉱化作用の性質や繰返しの様子,空間的な広がりなどが把握される。

 鉱化作用の及んだ範囲は,しばしば鉱化帯とよばれる。鉱化作用の性質や強弱場所とともに規則的に変化することがあるために,一つの鉱化帯の内部で鉱床の性質が規則的に(例えば地表で観察すると同心円状に)変化することがある。このような規則性は鉱床の累帯分布zonal distributionとよばれ,鉱床の探査に重要な手がかりを与えることがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉱化作用」の意味・わかりやすい解説

鉱化作用
こうかさよう

岩石中に有用元素の濃集した部分が形成される現象。鉱化作用が大規模におこれば鉱床が形成される。鉱化作用の機構にはいろいろなものが存在するが、有用元素を含む鉱液が岩石中を移動してきて、岩石中に有用金属を含む鉱物を沈殿させることによっておこる。鉱液の種類によって、鉱化作用がおこりうる条件は異なるが、鉱液の温度の低下、酸化還元条件の変化、酸塩基度(pH)の変化などの物理・化学的条件の変化によって誘起される場合と、鉱液が、鉱液中の有用金属と化合して、有用金属を沈殿させるような物質に遭遇して誘起される場合とがある。

[飯山敏道]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉱化作用」の意味・わかりやすい解説

鉱化作用
こうかさよう
mineralization

岩石中に鉱床,鉱物が形成される作用。鉱化作用は,ガス体による気成作用,溶流による熱水作用,マグマ,鉱化流体などによる交代作用,あるいは変成作用の過程で起ることが多い。鉱化作用のうち,金属鉱床をつくる作用を,特に金属鉱化作用という。

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岩石学辞典 「鉱化作用」の解説

鉱化作用

経済的に重要かどうかに関係なく,マグマが固結する過程で,鉱化ガスや熱水溶液によって岩石中に鉱物が生成し,鉱床が形成される作用を示す一般的な名称.鉱山用語としては,鉱石鉱物または,銅鉱床の近くの黄鉄鉱のように鉱石の存在を示す鉱物を含む岩石を指している[Lindgren : 1928].

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