(読み)セン

デジタル大辞泉 「銑」の意味・読み・例文・類語

せん【銑】[漢字項目]

人名用漢字] [音]セン(呉)(漢) [訓]ずく
鉄鉱石を溶かし取り出した鉄で、不純物を含むもの。ずく。「銑鉄溶銑
[補説]原義は、精錬された金属。平成22年(2010)常用漢字表から削除人名用漢字に追加された。
[名のり]さね

つく【×銑/×釻/柄】

弓のはず異称。また、そこにはめる金具
鉄棒十手などにつける折れ釘。
荷棒の両端に作った綱をとめるもの。
(柄)かい手棹てざおなどの、手をかける部分呼称

ずく〔づく〕【×銑】

銑鉄ずくてつ」の略。
銑銭ずくせん」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「銑」の意味・読み・例文・類語

つく【銑・&JISEEFB;・柄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 弓の弦をかける部分である弭(はず)異名であるが、普通は金属による弭金物、角製の角弭類を総称する。近世の俗説に弓の握りの部分に加えた折れ釘状の金具とも。
    1. [初出の実例]「五人張の弓、長さ八尺五寸にて、つく打ったるに、卅六さしたる黒羽の矢負」(出典:保元物語(1220頃か)上)
  3. (かな)棒・十手などにつける折れ釘。
    1. [初出の実例]「銀のつく打ったる鉄の棒ひっさげ」(出典:浄瑠璃・孕常盤(1710頃)一)
  4. 荷棒の両端にある縄どめ。朸(おうご)・天秤棒(てんびんぼう)などの両端の緒紐をかけるところ。
    1. [初出の実例]「朸(あふご)のつくつく並んだる、主も家来も一くるめ、撲(ぶち)悩されてせんかたなく」(出典浄瑠璃・御所桜堀川夜討(1737)四)
  5. ( 柄 ) 櫂(かい)・櫓(ろ)手棹などの手をかける部分の呼称。T字形の櫂や手棹では上の短い横木をいい、櫓では櫓腕に突き出させたにぎりのことで、早緒の先端をかける役目も兼ね、櫓づくともいう。〔和漢船用集(1766)〕
    1. 柄<b>④</b>〈今西氏家舶縄墨私記〉
      〈今西氏家舶縄墨私記〉
  6. ( から転じて。一説に「虫がつく」の略からとも ) 芸娼妓の情夫。かくし男。
    1. [初出の実例]「つくの名も医者の様な」(出典:浄瑠璃・雕刻左小刀(1791)三)

ずくづく【銑】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ずくてつ(銑鉄)」の略。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. ずくせん(銑銭)」の略。
    1. [初出の実例]「弐朱銀、きんきんとした形にて、遊びに行。道にて、づくに出合ひ」(出典:咄本・座笑産(1773)弐朱銀)

せん【銑】

  1. 〘 名詞 〙 小さい鑿(のみ)。小鑿。〔易林本節用集(1597)〕 〔説文解字‐一四篇上・金部〕

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普及版 字通 「銑」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 14画

[字音] セン

[説文解字]

[字形] 形声
声符は先(せん)。〔説文〕十四上に「金の澤あるなり」とあり、鉄の光沢あるものをいう。また鐘の口縁の部分を銑といい、〔周礼考工記鳧氏(ふし)〕に「兩欒(りやうらん)(口の両辺の角)、之れを銑と謂ふ」とみえる。また〔説文〕に「一に曰く、小鑿なり」という。

[訓義]
1. つやのあるかね、精鉄。
2. 小さなのみ。
3. 鐘の口辺の両角。
4. 弓の両端の金飾り。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕銑 カナカス・コガネ・カナハズノユミ 〔立〕銑 カネノツツミ・カネヒカリ・カネクサリ

[熟語]
銑樹・銑銭・銑鉄
[下接語]
金銑・鐘銑・瑶銑・銑・鏐銑

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【鏟∥銑】より

…中国明代の《正字通》に〈鉋は鏟を木筐中に銜(ふく)む〉とあり,台鉋(だいがんな)のことを意味すると考えられる。現代は銑の字があてられるが,根拠不明である。鏟(銑)は桶屋,柿(こけら)屋,下駄屋などが用いる。…

※「銑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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