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大坂冬の陣の直接原因となった京都・方広寺大仏殿の鐘銘をめぐる事件。豊臣(とよとみ)秀吉がつくった大仏は1596年(慶長1)の地震で崩壊し、秀吉の生前、再興されなかった。豊臣家の豊かな財力を恐れた徳川家康は、これを消耗させるため秀頼(ひでより)母子にその再興を勧め、工事が始まった。やがて1614年(慶長19)大仏殿が完成し、その開眼供養(かいげんくよう)の日が迫ったとき、家康は突然その鐘銘に「国家安康」「君臣豊楽」の文字のあることをとがめて供養の中止を命じた。大坂側では家康の怒りを解くことに努めたが、これを機会に豊臣氏の討滅を考えていた家康は、秀頼の大坂退去など無理難題を並べて大坂側を窮地に追い詰めた。そのため大坂方はついに意を決して兵をあげた。
[岡本良一]
『岡本良一著『大坂冬の陣・夏の陣』(1972・創元社)』
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…1600年(慶長5)東福寺,次いで南禅寺の住持となる。14年,片桐且元の依頼でつくった方広寺大仏の鐘銘が徳川家康の怒りに触れ,鐘銘事件を引き起こした。豊臣氏滅亡後に捕らえられて京都,次いで駿府に数年のあいだ拘禁されていたが,20年(元和6)9月には後水尾天皇に東坡詩集を進講している。…
※「鐘銘事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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