デジタル大辞泉 「木鐸」の意味・読み・例文・類語 ぼく‐たく【木×鐸】 1 古代中国で、法令などを広く人民に示すときに振り鳴らした、木の舌のついている大きな鈴。2 《「論語」八佾はちいつから》世の人を教え導く人。社会の指導者。「社会の木鐸」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「木鐸」の意味・読み・例文・類語 ぼく‐たく【木鐸】 〘 名詞 〙① 木製の舌のついた金属製の大鈴。昔、中国で文教の法令などを人民に示す時に振り鳴らした。〔書言字考節用集(1717)〕 〔礼記‐明堂位〕② ( 「論語‐八佾」の「天将下以二夫子一為中木鐸上」の語から転じて ) 世人を覚醒させ、教え導く人。社会の指導者。[初出の実例]「深く真理の確実なるを信じ以て吾が一身の君主と做し誠心之を推尊し木鐸となりて道を天下に主唱せり」(出典:真理一斑(1884)〈植村正久〉三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
故事成語を知る辞典 「木鐸」の解説 木鐸 世の中の人々を目覚めさせ、正しい道へと導く者のたとえ。 [使用例] 自分は決して新聞記者を、社会の木鐸だなどとは考えていないが、彼等が此の人間の形造る社会の出来事の報告者であるという職分を尊いものだと思うのである[水上滝太郎*貝殻追放 新聞記者を憎むの記|1917] [由来] 「論語―八はち佾いつ」に載っているエピソードから。どこの国にも受け入れられず、諸国を放浪していた孔子が、儀ぎという土地に来たときのこと。関所の役人が孔子と面会して、その人柄に大いに感銘を受け、「天は将まさに夫ふう子しを以もって木鐸と為なさんとす(天は、先生のことを世の中に正しい道を伝える「木鐸」にしようと考えて、諸国を放浪させているのです)」と言ったそうです。「木鐸」とは、昔の中国で、お触れなどを伝えるときに、集合の合図として鳴らした鐘のこと。舌が木でできていたので、こう呼ばれました。 出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報 Sponserd by
普及版 字通 「木鐸」の読み・字形・画数・意味 【木鐸】もくたく 金口木舌。文教をふれる者。また、世の指導者。〔論語、八〕天下の無きこと久し。天將(まさ)に夫子(ふうし)を以て木鐸と爲さんとす。字通「木」の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「木鐸」の意味・わかりやすい解説 木鐸ぼくたく 木の舌のある金属製の大きな鈴。古代中国では、政令を布告する際、この木鐸を鳴らして人民を市や村の辻(つじ)などに集め、説明をする習わしがあった。『論語』「八佾篇(はちいつへん)」に「天下これ道なきや久し。天まさに夫子を以(もっ)て木鐸となさんとするごとし」などとあるように、これから転じて、世論を喚起し、民衆を教え導く人物をなぞらえることばとなった。なお、舌も金属製のものは金鐸といって、軍事に関する件の布告に用いられた。[田所義行] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
とっさの日本語便利帳 「木鐸」の解説 木鐸 鐸は法令を宣布する時に振って鳴らした大型の鈴ようのもの。文事には木の舌のもの(木鐸)、武事には金の舌のもの(金鐸)を用いた。諸国遊説を続ける孔子一行に、国境の小村の役人は、天下に道なく乱れた世を導くよう「天は師を木鐸として下されたのです」といってねぎらった。 出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報 Sponserd by