阪井久良伎(読み)さかいくらき

精選版 日本国語大辞典 「阪井久良伎」の意味・読み・例文・類語

さかい‐くらき【阪井久良伎】

  1. 川柳作家。本名(わかち)横浜出身。東京高師卒。川柳久良伎社をおこし、雑誌「五月鯉」を刊行著書に「川柳梗概」がある。明治二~昭和二〇年(一八六九‐一九四五

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改訂新版 世界大百科事典 「阪井久良伎」の意味・わかりやすい解説

阪井久良伎 (さかいくらき)
生没年:1869-1945(明治2-昭和20)

川柳作者。名は久良岐とも書く。横浜生れ。本名弁(わかち)。父保佑は税関副長。退官後東京の麴町区富士見町に定住。久良伎は隣家渡辺重石丸(いかりまろ)に国学,漢学を学び,のちに共立英語学校,東京高師国文科に学ぶ。1897年日本新聞社に入り,当時は美術と和歌に力を注いだ。のち同窓正岡子規感化で川柳を研究し,1903年《川柳梗概》を刊行,川柳中興の第一声をあげる。その後《日本》に井上剣花坊が入社して,新川柳を担当したので,久良伎は《電報新聞》(のちの《毎日新聞》)に移り柳壇を設けた。05年川柳久良伎社を創立し,《五月鯉》を発行。剣花坊とともに川柳中興の祖と仰がれる。晩年は千葉県市川に移り書家としても名を成した。〈市川は死所志は江戸にあり〉の辞世を残す。
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20世紀日本人名事典 「阪井久良伎」の解説

阪井 久良伎
サカイ クラキ

明治〜昭和期の歌人,川柳作家,書道家



生年
明治2年1月24日(1869年)

没年
昭和20(1945)年4月3日

出生地
神奈川県横浜市野毛町

本名
阪井 弁(サカイ ワカチ)

別名
号=徒然坊,別名=阪井 久良岐

学歴〔年〕
東京高師国文学科卒

経歴
早くから渡辺重石丸の門に入り「日本」「報知新聞」の記者となり「心の華」に歌論を書く。のち川柳新派へなづち派の宗匠となる。著書に「文壇笑魔経」「へなづち集」「川柳久良伎全集」(全6巻)がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「阪井久良伎」の意味・わかりやすい解説

阪井久良伎
さかいくらき
(1869―1945)

川柳(せんりゅう)作家。久良岐とも書く。本名坂井辨(わかち)。別号徒然坊(つれづれぼう)、へなつち。横浜(武蔵(むさし)国久良岐郡)に生まれる。国学者渡辺重石丸(いかりまろ)に入門。初め歌人として活躍、さらに新派和歌を諷(ふう)して「へなづち会」を結成した。のち、正岡子規(しき)の影響で、『電報新聞』に拠(よ)って川柳革新の第一声を発し、『川柳梗概(こうがい)』『川柳久良岐点』を発行、また機関誌『五月鯉(さつきごい)』を発刊し、「新風俗詩」としての社交文学的川柳を広めた。門下からは多くの古川柳研究家が輩出。東京青山霊園に葬る。

[岩田秀行]

 広重を又なつかしむ木場の雪

『『川柳久良伎全集』全6巻(1936~37・同書刊行会)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「阪井久良伎」の解説

阪井久良伎 さかい-くらき

1869-1945 明治-昭和時代前期の川柳作家。
明治2年1月24日生まれ。日本新聞社にはいり,明治36年「川柳梗概(こうがい)」を刊行。のち川柳久良岐社をおこし,38年川柳誌「五月鯉」を創刊。狂句を批判し,古川柳にかえることを主張した。昭和20年4月3日死去。77歳。武蔵(むさし)久良岐郡(神奈川県)出身。高等師範卒。本名は坂井弁(わかち)。別号に徒然坊。号は久良岐ともかく。著作はほかに「川柳久良岐点」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「阪井久良伎」の意味・わかりやすい解説

阪井久良伎
さかいくらき

[生]明治2(1869).1.24. 横浜
[没]1945.4.3.
歌人,川柳作家。久良岐とも書く。本名,弁 (わかち) 。東京高等師範学校卒業後,新聞記者をしながら佐佐木信綱主宰の『心の花』に歌論を発表,徒然坊と号して正岡子規の『百中十首』の選をした。のち川柳に転じ,へなづち派の宗匠として名をなし,『へなづち集』を刊行 (1901) 。

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367日誕生日大事典 「阪井久良伎」の解説

阪井 久良伎 (さかい くらき)

生年月日:1869年1月24日
明治時代-昭和時代の川柳作歌
1945年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の阪井久良伎の言及

【川柳】より

…しかし狂句人口は増加し,江戸を中心に,北は山形,米沢へ,東は相模,松本,名古屋,飛驒,京,大坂に拠点ができ,全国的な支持を受けて広まったが,やがて知的遊戯におちた狂句をきらい,初代の古川柳への復古をとなえる明治の新川柳運動の標的にされることになる。雑俳(ざっぱい)【鈴木 勝忠】
[近代の川柳]
 1903年(明治36)井上剣花坊阪井久良伎(くらき)の,川柳は《柳多留》(初編)に戻れという提唱で近代川柳は始まる。2人はそれぞれ《日本》《電報》両新聞に拠って普及につとめた。…

※「阪井久良伎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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