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徳島市を中心に踊られる盆踊り。盆踊りは徳島県下でもほとんど輪踊りであるが、徳島城下町だけは行進する盆踊りが発達した。これを阿波踊と名づけたのは昭和になってからである。土地の伝えでは、阿波藩祖蜂須賀家政(はちすかいえまさ)の築城祝いに無礼講を許したのに始まるという。1798年(寛政10)の盆踊り絵も現存する。今日の阿波踊には、三味線や鳴物、または笛、胡弓(こきゅう)、尺八などを合奏して流す朝の「ながし」と、夜の「ぞめき」とがあるが、「ながし」のほうは衰退しつつある。「ぞめき」は「きちがいおどり」ともよばれるほど熱狂的なものである。数十人が連(れん)といわれる組をつくって、三味線、笛、鉦(かね)、太鼓に『よしこの節』の「踊る阿呆(あほう)に 見る阿呆 同じ阿呆なら 踊らな損 損」といった歌を歌いながら姿態をくねらせ踊りつつ行進していく。腕は両肩から上にあげ、腰の上下動は少ないのがよいとされるが、振りは奔放であり、底抜けに明るい。旧暦の盆に踊られてきたが、1976年(昭和51)より8月12日から4日間となり、毎年多くの観光客を集めている。
[萩原秀三郎]
徳島市を中心に徳島県下一円で踊られている盆踊。淡路島でも踊る。阿波踊の名称は昭和初年に林鼓浪が旧国名によって命名したものという。伴奏は三味線・笛・太鼓・鉦(かね)などで急調子にはやしたてるが,唄は落ち着きのある《よしこの節》である。男は尻ぱしょりの浴衣がけに手ぬぐい頰かぶり,足袋はだし,女は片肩脱ぎの浴衣を裾からげに着て赤い蹴出しを見せ鳥追笠をかぶり,白手甲,白脚絆,白足袋,黒の利休下駄をはき,数十人単位の連(れん)を作り街道を流し踊り歩く。これを〈ぞめき〉という。1585年(天正13)阿波徳島藩祖蜂須賀家政の徳島築城祝いに町民が踊ったのに始まるという説がある。しかし,現在の形は江戸後期以降に改められたものである。
執筆者:西角井 正大
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…前者は基本的に踊りの振りが同一であるが,地方によっては同じ輪でありながら扮装の違いによって振りを変える岡山県笠岡市白石島の白石踊や,踊りの輪によって振りのテンポを違える所もある。〈連〉が街を練り歩くのは徳島の阿波踊や広島県三原市のやっさ踊が代表的で,いずれも振の自由な乱舞型式であり,阿波踊には〈流し〉〈ぞめき〉などの技法がある。また新盆の家や年忌の家を歴訪して踊る型式もあり,特殊な盆踊としては,歌われる口説の登場人物の扮装で,持物を打ち合わせながら踊る〈仕組踊〉や,狂言風の〈盆俄(ぼんにわか)〉などがある。…
…1838年(天保9),江戸の都々逸坊扇歌が《よしこの節》に〈名古屋節〉をとり入れて〈どどいつ節〉(都々逸)を大成しもてはやされたが,京坂では長く《よしこの節》を残した。徳島県の阿波踊の歌は《よしこの節》を民謡化したものである。【舘野 善二】。…
※「阿波踊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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