限外濾過(読み)ゲンガイロカ

  • ultrafiltration
  • げんがいろか ゲングヮイロクヮ
  • げんがいろか〔ゲングワイロクワ〕
  • 限外×濾過

デジタル大辞泉の解説

濾紙などでは濾過できない、コロイド粒子のような微細な粒子を過する方法の一。従来、素焼き板やコロジオン膜・セロハン膜のような半透膜が使われたが、近年はさまざまな粒の大きさに対応した多孔性の高分子膜が利用される。粒の大きさが1ナノメートル~1マイクロメートルのものを濾過する。→精密濾過超濾過

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大辞林 第三版の解説

コロジオン膜や合成高分子の膜などを用いて、加圧または吸引によってコロイド粒子や比較的大きな分子を分離すること。脱塩やタンパク質の分別などに用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

普通の濾過(過と書くことが多い)では分けられないコロイド粒子や細菌などの微粒子を液体から分けるのに20世紀の初めから開発されたもので、濾布のかわりに半透膜を利用する分離法である。これに利用される膜の材質は、アセチルセルロース、ニトロセルロース、塩化ビニルなどで、これを限外濾過膜という。この膜の性能は、つくるときの溶質の濃度、溶媒の種類、乾燥温度などの条件に支配される。これに使われる装置は限外濾過器(ウルトラフィルター)とよばれる。一般にこの方法によって分けられる分子量は、膜にもよるが、だいたい100以上といわれている。さらに低分子の無機塩類まで分離しようとするのが逆浸透法である。[大竹伝雄]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 高分子化合物やコロイド粒子を濃縮するための濾過。コロジオン膜、ゼラチン膜、セロハン膜などを通して加圧下で濾過すると、一定の大きさ以下の分子(あるいはコロイド)は濾過膜を通過する。蛋白質の濃縮などに応用される。

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化学辞典 第2版の解説

コロイド溶液は一般の沪紙を通過してしまうが,沪紙にゼラチン,セロハン,あるいはコロジオン膜を用いると,コロイド粒子溶媒から分離することができる.これを限外濾過という.のつくり方によって,その厚さや密度を調節すると,その最大通過粒子の大きさをある程度制限することができるので,この方法は,コロイドの精製濃縮,均一化などに利用される.常圧のままでは濾過がほとんど進行しないので,加圧するか吸引によって促進させる.最近では,アセチルセルロースポリ(フッ化ビニリデン)ポリアクリロニトリルなど,合成高分子の膜も現れ,分子量数千から約十万の物質とそれ以下の低分子との分離,たとえば電着塗料の回収,油水分離,タンパク質の濃縮,酵素の分離・精製などに応用されている.

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