中国古代、前漢初期の学者。生没年不詳。楚(そ)の人。高祖劉邦(りゅうほう)に仕え、南越(なんえつ)王慰佗(いだ)のもとに使いして説得服従させた。以後、太中太夫(たいちゅうたいふ)となり、多く外交交渉にあたる。おりあるごとに詩書を説き、命を受けて秦(しん)漢興亡のゆえんを述べて『新語』12篇(へん)を著す。また『楚漢春秋』の著もある。恵帝のとき外戚呂(がいせきりょ)氏の権勢を憎み、丞相陳平(じょうしょうちんぺい)(?―前178)、太尉周勃(たいいしゅうぼつ)(?―前169)らと協力して呂氏一族の排除に成功する。『史記』『漢書(かんじょ)』に伝記がある。『蒙求(もうぎゅう)』に「陸賈分嚢(ぶんのう)」があるが、千金の遺産を5人の子供に遺贈する話である。
[町田三郎 2016年1月19日]
『金谷治「陸賈と婁敬」(『秦漢思想史研究』所収・1960・日本学術振興会)』
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