旧中国の学問分類における一派。『漢書(かんじょ)』芸文志(げいもんし)が古代の思想諸学派を儒(じゅ)・道(どう)・陰陽(いんよう)・法・名(めい)・墨(ぼく)・縦横(しょうおう)・雑・農・小説の十家に分けたのに始まる(前漢時代末の劉歆(りゅうきん)『七略(しちりゃく)』に基づく)。このことばは『史記』韓安国伝(かんあんこくでん)に初出するので、前漢の初期には使われていたが、当時特定の主張をもった集団が雑家として存在していたわけではない。儒家・道家などのような独自の学説をもたず、それら諸家の学説のあれこれを雑(まじ)え折衷して自己の思想を構成したものに名づけたのである。『漢書』芸文志には雑家として『孔甲盤盂(こうこうばんう)』『大禹(たいう)』『尸子(しし)』など20種が記録されているが、今日『呂氏春秋(りょししゅんじゅう)』と『淮南子(えなんじ)』の2種だけが伝わる。両者は諸思想の総合・統一によって新時代を切り開こうとした意欲的な百科全書といってよく、班固(はんこ)も「雑家者流は……儒・墨を兼ね名・法を合(がっ)す」と評した。なお、後世になると、一家をたてるに足りないものを多く雑家に入れたので、雑家はきわめて広い内容をもつに至った。
[池田知久]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…中国では,六朝以来伝統的に書物を学術の系統に従って経・史・子・集の4部に分類してきた(四部分類)。類書は最初,雑家類に収められ,のち独立して1類をもつようになるが,雑家の書が子部に収められたのに制約されて,ついに子部の外に出ることはなかった。ただ類書を四部の末に置くべしという議論は明代にすでに存するのであり,嘉靖年間(1522‐66)に胡応麟が,万暦年間(1573‐1619)に祁承(きしようはく)がこれを主張している。…
※「雑家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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